あの暑い夏の日 2 ページ21
ー?sideー
???「綺麗な曲だね」
銀色の髪をした、猫目の男の子。
カッコいいなぁ。
お礼を言いたいんだけど、声が出ないからしょうがないよね………
???「歌、歌えるか?」
ごめんね、歌えないんだ。
???「俺も一緒に歌うから、歌おう」
でもお医者さんに言われてるし………
???「大丈夫だ。小さな声ならバレない」
正直、カッコいい子だと思った。
だけど、歌を歌えない私に「歌おう、歌おう」と何回も言ってくるものだから、途中からしつこいなぁと思った。
………だけど、私の声って綺麗なの?
気になった。
だから歌った。
本当に楽しかった。
あの時に戻った感じがしたから。
歌っていると、男の子はすごくビックリしたように目を丸くして、私の歌を聴いている。
おばさんやおじさんたち、それにお医者さんたちも集まってきて、私の歌を聴いている。
???「お前、すごいな!名前は?」
?「……そら……葉月宙!」
?「俺は八乙女楽!よろしく」
宙「がく……楽、よろしくね!」
ー宙sideー
あの後、私は楽が退院するまで毎日病院のどこかで歌を聴かせた。
お母さんが歌った曲、私が作った曲。
何回も、何回も楽に私の歌を聴かせた。
彼は怪我で入院していたらしいので、退院まではあっという間だった。
だけど、あの日からずっと歌を歌っているから、私の声は元には戻らない。
きっと、一生戻らない。
一生、一生戻らないんだ。
だから一生歌を届けることはできないんだ。
楽「よっ!宙」
宙「あ、楽……こんにちは」
だが、彼は退院しても何回も私の病室に来てくれた。
もちろんそのたびに歌を歌った。
いつ声が出なくなるかわからなかったし、声が出てるうちは歌い続けたいからね。
楽「なぁ、今日も歌、聴かせてくれよ」
宙「うん、いいよ。今日の歌は新しく作った歌なんだ〜」
楽「へぇ!早く聴かせてよ」
そして、また私は歌を歌った。
ずっと病室で音を創っている私が音を奏でるなんて、楽が来てくれた時くらいだから。
音を綺麗に出すこともできない私の歌をしっかり聴いてくれる楽を好きになったのはこの時だった。
???「綺麗な声だな」
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星幸(プロフ) - コメント失礼します。読んでて思ったんですけど...これツキウタの内容を変えてますよね (2018年10月10日 20時) (レス) id: a9e9846191 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろくろ | 作成日時:2018年2月11日 21時