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291話「ホエミーの人形」 ページ47

1、2階を見て回った事で...遂にピンクの部屋に入る事にした。


勿論...この部屋も他の部屋同様に電気が落とされ、真っ暗。


それでも...ケイジさんの言う、感?目?...をよく使って部屋中を観察して行けば、それはハートの形の通気口で引っかかった。


手を伸ばして...触れてみれば風を感じ、そこに柵は無く、何処かに繋がっている...!


『これは...!』


ケ「戸が開いてるね...。
人が通れそうなサイズだ...うーん...。

またどこかに繋がってるかもしれないけど...。」


サ「行ってみましょう...。
私達が他を調べてる内に...ギンが行ったのかもしれません。」


結局...ギン君とは会えずじまいだ。
すれ違っているだけかもしれないけれど...この先にいる可能性だって高い。


ケ「この際、危険は承知の上...か。
Aも...いいね?」


『大丈夫です...先に行ってみましょう。』


ケイジさんに力を借りながら...私とサラちゃんは通気口の中へ入る。


.


当たり前だけれど...真っ暗で見た事の無い光景が広がっている。


ケ「足元気を付けて...。」


部屋はそこまで大きくなかった事もあって...1つ1つ気になる所を調べる事になった。


私は...入って真っ先に気になった、何かの存在感へと手を伸ばす...。


その瞬間。


パッ...と電気が付いた。


手を伸ばした先に...壁にもたれ掛かる様に座って...置かれているのはホエミーだ。


ケ「こいつはホエミー...!」


サ「Aさん、ケイジさん!離れて...!」


『......多分...大丈夫だよ、サラちゃん。
これは...ホエミーの......人形...。』


試しに腕を上に持ち上げて、落としてみれば...抵抗無く、床に落ちて行く。


ケ「力の抜けた、ただの人形だね。
ピクリとも動かない。」


サ「それって...笑い人形ホエミーが...壊れたってことですか...?」


ケ「いや、そうじゃない...。
これはおまわりさん達が最初に出会ったホエミーなんだ。」


サ「最初って...。」


『私達が胴体、手足を集めた...あのホエミーだよ。
この部屋とピンクの部屋は繋がってる...。
きっと...白いガスが部屋を満たしてた時、組み立てた人形のホエミーと人間のホエミーが入れ替わった。』


私達が探し出したのは...むき出しの手足だったけれど、ここに置かれた人形のホエミーは...黄色い手袋を身に付け、足元にも茶色のブーツが履かされていた。

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作者名:伊豆花織 | 作成日時:2022年11月3日 17時

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