２８４話「密談」 ページ40
ケイジさんはポカンとした表情でサラちゃんに怒っているかの確認をし、サラちゃんはそれに対して怒ってないと言うけれど......その怒りは隠し切れてない。
『サラちゃん。
ケイジさんの事...信じてって言ったでしょ...？
良ければ...話を聞いてあげて欲しいな...。』
サ「......わかり、ました...。」
不満は残ったままみたいだけれど...怒りは鎮めてくれて、冷静に話を聞こうとしてくれている。
ケ「おまわりさん、サラちゃんに信用...されたくてね。」
サ「......。」
ケ「３時間しかないんだ。
役職なんかで疑いあってるヒマ、ないだろ？
医務室で宣言した様に...おまわりさん達は脱出するんだから...さ。」
サ「...！
...わかりました。
何か考えがあるんですよね、教えてください。」
ケイジさんと私はそれぞれ１人掛けのイスに腰掛け、サラちゃんはベッドに座った。
３人で向き合う形になっていて...話し合いには最適だ。
そして...ケイジさんが徐に話し始める。
ケ「ねえ...サラちゃん。
脱出って言えば、どんな方法がある？」
サラちゃんは一瞬考えると...これが最適であろう言葉を紡ぐ。
サ「誘拐犯にバレない様に出口を探します。」
ケ「そうだね。
フロアマスターの監視の目をなんとか盗むしかないかも。
Aなら...どうする？」
誰かに頼んで監視の目を背けてもらうのは...最適じゃない。
だとしたら...。
『あちらしか知り得ない情報を私達も持つ事...。
今のままでは、あちらばかりが上に立っていて...決して対等な関係に無い。
私達は...ここについて何もかも、知らなすぎる。
せめて、最低限の情報だけでも手に入れたい。
......例えば...フロアマップとか。』
ケ「オレ達の仲間内でその情報を持つとしたら...？」
サ「...カイ...さん...！」
『でも...カイさんが残した物は、ソウさん達の手の中。』
パソコン...。
ソウさん達から取り戻す事はできなくても、せめて共有だけでもして欲しい...。
必要な情報を...２人だけで独占しないで欲しい...。
ケ「そう...。
だからね...サラちゃん。
おまわりさん達は...そのパソコンが置かれていた場所に注目した。」
サ「ガレキの...部屋、ですか？」
『その通り...。
カイさんは...あの部屋に死ぬ前に訪れていた。
まあ、色々と思う所はあるかもだけれど...時間は有限だよ。
ガレキの部屋に向かおうか。』
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2022年11月3日 17時
