２６１話「チャンスはある」 ページ17
ノ「まあまあ...落ち着けってレコ。
それに...諦めちゃダメだよテメーら！
まだチャンスは残ってるんだー！」
カ「ど、どういう意味ですか！」
ノ「毒針は全部で５本あるんだー！
時間ごとに１本ずつ発射される仕組みなんだけどさー、１本の毒はそんなに濃くないんだよねー。」
５本...。
それじゃあ...まだ５分の１。
死ぬレベルの毒じゃ...無い。
可能性があるなら...耐えられる。
耐えてみせる...！
ケ「まだ...助かる可能性はある...って事だな。」
ノ「まっ、最大で成人男性でも殺せるように設定されてるから...Aだったら...３、４本くらいなら耐えられるんじゃない？
...５本目は何もしなければ、確実に死ぬだろうねー。」
猶予は...あと２、３本...って事か。
体格の良い成人男性......Ｑタロウさんですら...５本で死ぬレベルに調整されているのなら、同年代の中でも比較的小さい私は...４本も耐えられる？
いや、耐える。
レ「クソッ...！！クソヤロォ...！！
地獄に落ちやがれ！！」
『レコさん...落ち着いて！！
サラちゃん...お願い、話し合い...続けて！！
私は...まだ大丈夫だから...解決に導いて...！』
ここからは...痛みで思考力も判断力も無くなってくると思う。
だから...私が出来るのは、平気なフリをして皆の背中を押す事。
サ「っ...Aさん、わかりました！！
カンナ！！
さっき話そうとした事...話してくれ！」
カ「は、はい！！
えっと...モニターを割ったレコさんは誰かの変装だったってことじゃないですか...？
確かに...レコさんは素顔じゃない分、同じメイクをして顔を似せることは...できます。
でも、着替えは盗まれないように厳重にして寝室に保管したとレコさんは言ってたんです。
服を入手できない私達の中に...着せ替えができる人なんて...いません。」
今度は...ノエルの名前こそ出てこなかったけれど、それに似通ったワードは出てきた。
ソ「レコさんの服を入手できる人物はいるよ。」
カ「え...！？」
ソ「少なくとも...レコさんの個室に入れない以上、ボク達は着替えを盗めない。
でも、ボク達は着替えを持参してない。
誘拐犯が勝手に用意した物だから。」
カ「あ...！」
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2022年11月3日 17時
