２５５話「何を重りに」 ページ11
ノ「.........。
正解ー！
よくこんなてがかりでそこまでわかるよね！
テメーすげーな！」
ナ「じゃあ...本当に救助できるんですね！？
Aさんは...助かるんですね！？」
ノ「もっちろん！
それが...できれば...ね。
さぁ...時間はないよ。
４８．５kg...何を重りに使うか...相談したら？」
私の頭に浮かんだ最悪の想像は...。
上にいる３人の内の誰かがそこに落ちるという事。
ナオちゃんが言った、罰則......。
つまり...そう言う事だ。
だから、鑑賞室には上位者がいない。
私か...サラちゃんかナオちゃんかレコさん。
結局、誰かの犠牲無しでクリアする事は出来ないと言う事なのかもしれない。
だとしたら...別に私が犠牲のままでいい。
レ「Aを助けたかったら...この中の誰かを...犠牲にしろってのか...！！」
ノ「あはは...今、気付いたのー？
そう、その干渉室では誰かを犠牲にすることで装置を止めることができるんだ。」
レ「テメェェ...！！」
ノ「でもさーテメーらラッキーなところもあるよー！
なっ、ハンナキー！」
ハ「...最下位、もしくは１位で権利を使ったＱタロウさんでしたら１００kg以上がありましたので...。
３人とも“降りない”と助けられなかったと思います。」
『え......。』
今の...聞き間違いじゃ......ない？
本当に聞き間違えじゃ無ければ、ハンナキーは今...降りるって言った？
落ちるの間違えじゃなくて？
ノ「ほら、残り時間ちゃんと気にして話してるー？
もうすぐだよー？
そろそろ...この話し合いも終わりだねー。
決めた方がいいんじゃないかな...。
誰が犠牲になるのか...を。」
でも...誰かの犠牲ありきのアトラクションなんて、やっぱりおかしい！！
『ノエルの言葉を気にする事は無い！！
私は...権利を使った瞬間から、覚悟を決めてる。
３人の内の誰かの犠牲の上で生きたいだなんて思ってない！
自分が信じる物を信じて！！』
正直言って、レコさんの様子がおかしいと言う事は...２日目に入った時に気付いていた。
だけど...それを誰が犠牲になるかという決断を迫られている中で...立場としては助けられる私が口にする事はダメな事だ。
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2022年11月3日 17時
