死なないために足掻きましょう。５【キミガシネ】 (ページ44)

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２３８話「その時じゃない」ページ44

じっ...と黙ったまま扉の前で待って少しした時。

ケ「A、もう部屋に入っても大丈夫だよ。」

ケイジさんの声を確認して...私は再びガレキの部屋へと戻って来た。

『お待たせしました。
サラちゃんの事...追い返しちゃって良かったんですか？』

ケ「まあ...今は確証の無い事でサラちゃんを悩ませたく無いからね。

それで...何か見つかったかい？」

『はい......。
ケイジさんの...想像通りです。

この扉の先は...１階の調理室に繋がっていました。』

通路の仕組みや辿り着いた調理室の事をケイジさんに説明した。

ケ「調理室...ねー。
カイがそこに身を隠して、ナオちゃんを連れ込んでとかの一連の流れを考えると...ここと調理室が繋がってるのも納得だね。

それに......ミシマさんの頭も...ね。」

未だに行方不明のまま見つかっていない...ミシマさんの頭部。
カイさんがパソコンを調理室から移動させた以上...一緒に移動させた可能性が高いのだろう。

『１階...私達だけでも、探索してみますか？
もう行けないと言われている場所に行けるなら...何かあの時に見つけられなかった手掛かりを見つける事が出来るかも知れません......。』

ケ「それも手だけど...今はその時じゃ無いかな。
もう夜だし...オレ達の姿が見えなくなったら、みんなも心配するだろうしね。」

『そう...ですよね......。』

“今はまだその時じゃ無い”
それは確かで...やり切れなさが残るものの、誰かが変に入ってしまわない様に...元通りに扉を閉めた。

相変わらず、この建物内にある隠し部屋は徹底的に隠す目的があるのか...閉めた途端、何処に扉があったのかが分からない位にピッタリと塞がれてしまった。

.

ケ「考え事をするにしても...余りここに長居するべきじゃ無いよね。
時間もボチボチだし......ロビーの方に行ってみようか？」

『ええ、皆の様子も気になりますしね。』

判断があやふやだから、ハッキリと正しいかは言えないけれど...ノエルは、制限時間を３日間と言っていた。
３日目で終了とは...言っていなかった...よね？
だとしたら、スタートを宣言した時から３日間と言う事でいいのだろうか？

その点を考慮するのならば...実質明日の朝が終わりと言う事なのだろう。