２３４話「夕日」 ページ40
ソウさんと別れた後...どうにもやる気の出て来なかった私は、ロビーの窓辺に置かれた棚に腰を掛けて......何をする訳でも無く、動きの殆ど無い映像を眺めていた。
見始めて１０分も経っていないだろうか？
昼間の青空が...１日目にも見たオレンジ色の空へと急に切り替わった。
今の季節なら...推定１７〜１８時と言ったところだろう。
今日も終わりに差し掛かっている。
定められたサブゲームの期限は３日間
殆どの人が無事にクリアチップを集められており、多くの人は最後まで粘ろうと探索を続けている。
それじゃあ...私も...。
そう考えて窓を見る事を辞め、ロビーの中心に目を向けた時だった...。
ケ「やあ...A。
こんな所で１人で黄昏てたんだね。」
突然...横から声をかけてきたのは、何となく予想はついていたけれどケイジさんだった。
ケイジさんの姿を見た瞬間に感じた胸の暖かさと同時に...先程まで見ていたケイジさんの最初の試練が収めている犠牲者ビデオをしっかりとポケットの中に仕舞っているかを確認した。
『私...そんなにボーッとしてましたか？』
ケ「まあ...ね。
やる事が特に無いなら...オレと探索に行こうか？
最後までやれる事はやりたいしね。」
『喜んでご一緒します。』
とは言え、目標も無く歩き回る程効率の悪い事は無いから...行くべき場所を明確にしたい。
『私が本格的に探して無くて、調べたい場所と言うと...ガレキの部屋なんですけど...えっと、ケイジさんは何処か目星を付けている場所はありますか？』
ケ「Aと同意見だ。
他の場所は...早い段階で見つかってた事もあって調べ尽くしてる感じもするからね。」
あの時はパソコンが見つかった事の驚きで...部屋の中を調べ回る程の余裕は無かったし、パソコンを奪われた後は色々と考える事もあって...調べる様子は無かった。
『それじゃあ...行ってみましょう。
何か...少しでも手がかりが見つかると良いんですけど...。』
ケ「賭けるしかないね...小さくても可能性に...。」
『はい...。』
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2022年10月10日 18時
