２２８話「お手上げ」 ページ34
ア「それより......篠木敬二。
ヒヨリソウのメダルはどうなった？
一応...情報を得るのに必要な枚数は、あと１０枚だったはずだが......。」
ケ「...ダメだったよ。」
分かってはいたけれど...ソウさんのメダルは昨日の事があった以上、集められていない。
私が...最悪の決断をすれば得られていたかもしれないけれど、それだけは絶対にしたくないから。
ア「チッ...！
そうなるとこのモニターを壊したのは...！」
アリスさんが視線を送ったのは、左端...ソウさんのモニターがあるべき場所。
『紛れもなく...ソウさんでしょう。』
ソウさんの口から...あの人の事を“本物の日和颯”と出て来た時点で、ここにいる人物は
名前を変えている以上、情報を知られる事自体がソウさんにとっては良くない事なのだろう。
ケ「間違いないだろうね。
だからこそ、２人からの交換に応じたんだ。」
そっか...！
メダルを集めれば個人情報を見られると思っていたけれど、手に入れた個人情報はそれぞれのAIが搭載されたモニターからしか見れないのかもしれない。
だとしたら...私とナオちゃんの個人情報はそもそも見れるのだろうか？
ア「っ...悔しいがアイツの情報についてはお手上げだな...。」
ケ「悪いね、アリス。」
もう...この状況になってしまったら、諦めるしか無いのだろう。
ア「いや、気にするな。
それじゃあ...オレは最後のクリアチップを集めに行く。」
そう言って...アリスさんは再びこの部屋を後にして行った。
.
ケ「じゃあ...オレもアトラクションしに行くかな。
Aは無事にクリアチップは集めきったんだよね？」
ケイジさんを色々と付き合わせてしまったけれど...クリアはまだだったんだ...。
「はい、何とか無事に...。
最悪の事態だけは免れました。
ケイジさんはあと何枚なんですか？」
ケ「良かったよ。
オレは...
あと１枚だね。
まあ、今日はゆっくりしてるんだよ...A。」
枚数自体は把握していなかったのか財布の中を調べるケイジさん。
あと１枚なら...ケイジさんをここで失うだなんて悲しい事にはならなくて良かった...。
『ゆっくりはしたいですけど...まだこの階を調べ切れた訳じゃないので、探索は続けようと思います。』
ケ「じゃあ...お互いに頑張ろうね。」
そうして...ケイジさんもモニタールームを後にした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伊豆花織 | 作成日時：2022年10月10日 18時
