２２５話「心霊シャッターゲーム１」 ページ31
ソ「相変わらず、アトラクションの道のりは暗いね。
心霊って言うくらいだし...お化けでも出てきそうだよ。」
『......。』
アトラクションへ向かう傍ら、ソウさんは頻りに私に話しかけてくる。
相手にするのも面倒臭かったので話に耳を傾ける事は無く、スタスタとメインの会場まで歩いて行く。
ルールは空中に浮かぶ青いヒトダマをゲージ一杯集める事。
幽霊の対処は写真を撮る事。
赤いヒトダマは取っては行けない。
ヒトダマを取るための道具なのか...一般的によくあるサイズの虫取り網よりも大きな物が置かれている。
『役割分担をしましょう。
私がヒトダマを回収するので...貴方は幽霊が現れた時の対処をお願いします。』
ソ「任せてよ！
体力は無いけど...Aさんが疲れたらヒトダマの回収もするから、気軽に言ってね！」
スタートの合図と同時に...そこら中に青い炎が出て来ては消えを繰り返している。
準備万端。
キャベツ畑で鍛えたモンシロチョウを取る技術、今ここで発揮する！
虫取り網をギュッと握り締めて、青いヒトダマに振り被る。
ヒトダマを取ったら、どうやってそれをゲージに溜めて行くのか疑問ではあったけれど...その心配は杞憂だったみたいだ。
虫取り網で回収した炎は...取った瞬間に消えて行く。
ソ「Aさん！
どうやらその青いヒトダマを回収して行くと...こっちのカメラにゲージが溜まっているみたいだよ！」
『分かりました。』
イメージするならば...モグラ叩きだろうか？
基本的には見つけた瞬間に取る事が出来るけれど...取ろうとした瞬間に目の前で消えた時は少しばかり腹が立った。
そして...次のヒトダマを取ろうとした時......。
『っ...！！』
目の前に...髪の毛の長い、真っ黒な影が現れた。
それを見ているとゾワゾワと恐怖心が湧き上がってきて、思わず退いてしまった。
するとその瞬間......フラッシュの光とカシャッと音が聞こえて、幽霊は目の前から消えて行った。
ソ「ナイスタイミング...だったかな？
無事で良かったよ、Aさん。」
『...ありがとう、ございます。
引き続き......よろしくお願いします。』
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2022年10月10日 18時
