死なないために足掻きましょう。５【キミガシネ】 (ページ23)

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２１７話「教えて」ページ23

サラちゃんの準備が出来たところで...揃ってロビーに向かえば、ケイジさんがソファに座って待ってくれていた。

ケ「A。
サラちゃんも...来てくれてありがとう。
...コーヒー入れてくるから、座って待っててよ。」

ケイジさんが席を離れてコーヒーを取りに行っている間、サラちゃんはまだケイジさんの顔を見るのが気まずいのか...不安な顔をしていた。

ケ「お待たせ.........。」

サ「.........。」

『......。』

コトンと机に置かれたコーヒーの入ったマグカップからは...暖かな湯気が出て来ているけれど...誰もそれを手に取る事は無かった。
静かな沈黙が...妙に気まずさを醸し出す。

ケ「...なんか気まずいねー...。」

ポリポリと首元を掻きながら、ケイジさんは目線をサラちゃんから外す様に横を向いた。

ケ「......信用ってさ...
...どうやって...得るものなんだろうねー...。」

サ「相手から信用を得たい時は...その相手を自分から信用することです。
Aさんも言ってくれました...。
信じたい気持ちが大切だって...。」

真剣に...ケイジさんの目を見ながら訴える様に伝えるサラちゃん。

ケ「...なるほどねー...。」

サ「.........。」

『サラちゃん...落ち着いて...。
顔が強ばってきちゃってるよ。』

ケ「そうそう、かわいい顔が台無しだよ。」

『ケイジさん。』

ケイジさんは...そうやって直ぐに誤魔化そうとして軽い言葉を口にする。

サ「...私は...ケイジさんの事を信用したいんです。
もちろん、Aさんの事も...。
誰の事も...疑いたくないんです...。

だって...私達は仲間だから......。」

『そうだよね...私達って...仲間なんだよね...。』

メインゲームの前にも感じた様に...仲間なんだ。

Ｑタロウさんの勝手な行動に...カンナちゃんの裏切り。
行動も正体も分からない...ソウさん。
疑いたくなる様な...信じられなくなる様な行動が多くたって......ケイジさんの言う様に同じ首輪で繋がれた仲間...なんだ...。

サ「...でも、ケイジさんは...いつも核心を教えてくれません...。
あなたは...いったい何を隠しているんですか...。

教えて下さい...。」

『私からも...お願いです。
貴方の口から...聞かせて下さい。』

知ろうと思えば...知る事が出来たであろう情報。
それでも...やっぱり、私はケイジさんから聞きたい。