死なないために足掻きましょう。５【キミガシネ】 (ページ13)

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２０７話「曇った顔」ページ13

ケイジさんに...なんて声をかけたらいいか分からなくて、その様子を見ていた時だった。

Ｑ「.........。」

Ｑタロウさんが...帽子の唾を深く目元まで下げ、暗い顔をしながら......モニタールーム...と言うよりは、私達の元へとやって来た。

『Ｑタロウさん...？
何かあったんですか？』

ケ「Ｑタロウ、何かあったなら...出来るだけ早く話して欲しい。」

Ｑ「.........すまん...ぜよ。」

何があったのか...中身の内容までは話そうとしない。
頻りに...“ごめん”を繰り返すばかり。

『Ｑタロウさん...話してくれないと、何を謝られているのかも分かりません。
お願いです、事情を話してくれませんか？』

ケイジさんと２人で話しかけてても、Ｑタロウさんは俯いたままで...悔しそうに、やり切れない様に口元を歪ませている。

そして...耐え切れないと言わんばかりに、モニタールームを後にしようとしている。
追いかけようと...名前を呼ぶ。

『Ｑタロウさん...！！』

その声と同時にドンッ...とＱタロウさんが誰かとぶつかった音がした。

Ｑ「...サラ...！」

サ「Ｑタロウさん？」

ケ「待てＱタロウ、話は終わってないぞ。」

ケイジさんがＱタロウさんを追っていくのに付いて行って、私も共にロビーへ向かう。

.

.

『Ｑタロウさん、観念して話して下さい...！』

ケ「言うんだ...Ｑタロウ。」

Ｑ「.........自分がした事が...お前らへの裏切りだって......分かってる...ぜよ。」

もう流石に降参したのだろう。
Ｑタロウさんはソファに腰掛け...身体を前屈みにしながら、話そうとしてくれている。

Ｑ「A...すまんぜよ......。
お前が...オレを信じるって......パソコンを託してくれたのに...パソコンを...アイツらに...渡しちまった...ぜよ。」

『...！！』

Ｑタロウさんは何を...言ってるの？
パソコンを渡した？
アイツらって......誰？

ケ「どういうことだ...！
なぜ...！」

Ｑ「.........。」

ケ「話してくれ...Ｑタロウ。」

サ「あの...どうしたんですか？」

私達の緊迫した様子に...サラちゃんが不安そうな声を出しながら、恐る恐る話しかけて来た。

『サラ...ちゃん......。
あのね......パソコン、取られちゃった...みたいなの...。』

この事実は...知りたく無かった。
Ｑタロウさんの事...信じてたのに...。
その約束を...違える人だとは思いたくなかったのに...。