死なないために足掻きましょう。３【キミガシネ】

１０７話「言えない役職」 ページ8

時間を有効的に使う為にも...サラちゃんと私とで皆から話を聞いてみる事になった。


ナ「身代って投票権２枚なんですよねぇ...。
その考えから行くと...カンナちゃんは身代からは除外してもいいんですよね？」


ナオちゃんの発言が気になって先程の投票用タブレットを見てみれば、確かにカンナちゃんは身代では無いのだろう。


『本当だね...。
やっぱりさっきのカンナちゃんの発言は...身代に見せかけても、死にたくないからだったのかもしれないね。』


ナ「うぅ...悲しいですぅ...。」


本当に死にたい訳でもなく、身代では無いと言うのならば、そのたった１票で決選投票へと進んでしまったカンナちゃんが...少しばかり気の毒だ。


ギ｢難しいニャン...皆殺しは嫌だワン...。
皆殺し...嫌な響きワン...。｣


『.........ギン君、その皆殺しって...。』


ギ「ぼ、ボクが言ったんじゃ無いよ！
予選投票の前にジョー兄が言ってたニャン！
“サラを選んだら確実に皆殺しになるぞ！”って...。」


考えてみたら...おかしいじゃん。
どうして...ジョー君はサラちゃんを選んだら皆殺しになると知っているの？


私は...ホエミーが言った発言からサラちゃんこそが本物の鍵番ではないのかと導いたけれど、あの言葉は私達２人だけにしか聞こえない様にこっそりと伝えられた。


あれをジョー君は聞いていない。


可能性が...あるとしたら。


隣にサラちゃんが戻って来る。
互いに目を合わせて思った事はきっと同じだ。


『ギン君...さっき話してくれた事、皆の前でも教えてくれる？』


ギ「う、うん！


えと...ジョー兄が予選投票の前に“サラを選べば確実に皆殺しになるぞ”って言ってたワン。」


続いて...サラちゃんがその発言を確認する様にジョー君へ問いかける。


サ「ジョー、お前は役職についてなんて言った？」


ジ「はあ？
オレはむしろ言えねーって行ったんだよ。」


サ「“知らない”を訂正して“言えない”になったな。
言えない役職...そういうことだろう？」


焦りの見えるジョー君の表情。


投票されない様に...。
言えない役職...。


それは...さっきの会話の中でも出てきた。


ジョー君は...賢者なのかもしれない。

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