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135話「死者の無念」 ページ36

サラちゃんの言葉に......皆がハッとした様にノエルの服装に目を向ける。


ジョー君が身に付けていた稲妻の様な特徴的な形のヘアピン...。
ミシマさんのシマシマの大人しい色合いのネクタイ...。
カイさんの血でも被った様なまだら模様のエプロン...。


どれも......私達が見覚えのある物だった。


ノ「......あは。
...この髪留め...やっぱり...わかった...?
気持ちが良いんだよねぇ...。
死者の無念が宿ってる気がしてさ...。


タヅナ ジョー...。
あの底抜けに明るいお人好しのバカの...無念がね。」


ノエルのオレンジ色の瞳が...ドス黒い物に変わっていた。
感情による変化だったとしても...異常な程の変わり具合。


ホエミーはどれだけ感情が昂っていても...瞳の色合いだけは変わらなかった。
それは......人間だから。


そう考えると...ノエルは本当に人形の可能性が高いだろう。
それにノエルの考え方は...人間だとしたら余りにも狂ってるとしか言い様がない。


その憎悪が混じった様な黒い瞳が...私達に強く向けられる。
それはまるで、嫉妬のように......鋭い視線だった。


カ「それじゃあ...やっぱりそのスカートも...お姉ちゃんの...!!」


なるほど、そういう事...ね...。


死者の無念が宿っているって事は...ノエルが履いているカンナちゃんのお姉さんのスカートだけじゃない。
変な形をしたフードも...
変わった色合いの手袋も...
身に付けている物は全て...最初の試練で死んでしまった人の遺留品...なんだね。


ノ「......ふ〜...。
...テメーらにオレを責める資格がある?」


カ「...!!」


ノ「この話はおしまい!
とにかくモニターの向こう側にみんな来てよ!
楽しいゲームをしようよ...ははは...!」


ケラケラと嘲る様に笑いながら...ノエルはモニターの奥にある扉の向こうへ消えていった。


......しかし、私達は中々ノエルが向かって行った方と直ぐには行けずにいた。


認めたくない...認めたくないけれど、確かにノエルの言う通りだった...。


弐の試練で...メインゲームで...仕方ないとは言え、彼等を見殺しにしてしまった。


私達は......私達にデスゲームをさせている誘拐犯側の思うがままに踊らされている...。


それでも...生き残った私達は前に進まなければならない。


まずは...ルールを知る所からだ。


.


.



そして、私達は奥の部屋に進む事にした...。

136話「景品交換所」→←134話「2人のフロアマスター」



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伊豆花織(プロフ) - みょんさん» 誤字のご指摘ありがとうございます!見直してきた所その通りでしたので、修正してきます! (2022年9月10日 11時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
みょん - 129話の、レコチャンが サラ! って言うシーンが サ「サラ!!」になってますよ!  伝えるのが下手ですみません。  (2022年9月8日 20時) (レス) @page30 id: 5858736ed9 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 琉夏さん» ありがとうございます!ソワソワ、ワクワク、そんな気持ちを感じさせるストーリー展開が出来るようにこれからも頑張って行きます!! (2022年8月31日 18時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
琉夏 - ずっとソワソワが続く良いストーリーですね。 (2022年8月30日 22時) (レス) id: 6530ebbf23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊豆花織 | 作成日時:2022年8月27日 17時

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