１２６話「休息」 ページ27
ベッドに座るサラちゃんの顔を覗き込めば...目元にはほんのりとクマが出来てしまっていた。
『サラちゃんは...ここまで一杯頑張って来たもんね。
今は休息の時間なんだし、休む権利は十分あるよ。』
サ「......寝たく...ない...です。」
小さく吐き出された言葉は...弱々しくて、今にも消えてしまいそうな音だった。
ケ「...なに...。」
サ「......今...寝たら...また......。」
また...ジョー君の幻影が出て来てしまう......という事だろうか......。
幻影とは...そんなにも恐ろしいものだと言うの？
『サラちゃん...。
１人じゃ...心細い......？』
サ「......はい。
ごめん......なさい...。」
サラちゃんは...ジョー君を失った事が相当傷になってるみたいだ。
私は......薄情なのだろうか？
彼の死を考えない様にしているとは言え...泣くだけ泣いたから、酷く辛い訳でも無い...。
ケ「...おまわりさん達が部屋に居てあげるよ。
だから安心して寝なって。」
サ「...嫌です。
...横になりたくありません。」
頑なに眠る事を拒むサラちゃん。
制服のスカートをギュッと握りしめて、辛そうな顔をしている。
『......横にならなくても良いよ。
目を瞑って...少しでも身体を休める事を優先しよう？』
サ「...わかりました。」
.
サラちゃんは戸惑いながらもケイジさんの肩に頭を委ねて、ゆっくりと目を閉じた。
『サラちゃん...。』
どんなにしっかりしていても...どんなに皆に慕われていたとしても...サラちゃんはまだ高校生。
成人すらしていない...ただの女の子なんだ。
最愛の友人を目の前で...しかも、あんなにも残酷な方法で失う事は......この歳で背負う様な出来事なんかじゃない。
私が思う以上に......きっと辛いだろう...。
唯々...サラちゃんに救われて欲しい......。
.
.
ケ「...サラちゃん。
......寝ちゃった...かな？」
『はい。
少しは休めればいいんですけど......。』
ケ「そっか...。
...参ったね...。
はぁ......サラちゃんも...か。」
サラちゃんを挟んでケイジさんの顔を見てみれば...冷や汗を流しながら、何か思い詰める様な顔をしていた。
ケ「...幻影を...認識しちゃ...ダメだよ。
...脳に焼き付いたら...もう...。」
私は何も言うまい...。
ケイジさんが吐いている弱音が...事実だ。
ケ「...おまわりさんみたいにならないでね。」
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伊豆花織(プロフ) - みょんさん» 誤字のご指摘ありがとうございます！見直してきた所その通りでしたので、修正してきます！ (2022年9月10日 11時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
みょん - 129話の、レコチャンが サラ！ って言うシーンが サ「サラ！！」になってますよ！ 伝えるのが下手ですみません。 (2022年9月8日 20時) (レス) @page30 id: 5858736ed9 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 琉夏さん» ありがとうございます！ソワソワ、ワクワク、そんな気持ちを感じさせるストーリー展開が出来るようにこれからも頑張って行きます！！ (2022年8月31日 18時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
琉夏 - ずっとソワソワが続く良いストーリーですね。 (2022年8月30日 22時) (レス) id: 6530ebbf23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2022年8月27日 17時
