１２４話「叫び声」２章スタート ページ25
《うわあああぁぁぁぁぁ......！！！！》
深く沈んでいた意識が...誰かの叫び声によって引き戻される。
『...！！』
ガバッ...と焦る様に身体を起こせば、手は繋がれたままで、隣にはケイジさんがいた。
ケ「Aちゃん、おはよう。
起き抜けで悪いけど...サラちゃんが目を覚ましたみたいだ。」
『じゃあ...あの叫び声は......。』
決して壁は薄くは無い。
それでも...聞こえてしまう程の叫び声。
きっと...目覚めたサラちゃんは酷く混乱しているはずだ。
ケ「サラちゃんが心配だ。
様子を見に行こうか。」
『はい！』
こうしている間にも...何を言っているのかまでは聞こえなくても、サラちゃんが叫び続けている事は分かる。
.
.
.
ケイジさんの部屋を出て、サラちゃんの部屋の前に立てば...レコさん、ナオちゃん、ギン君も心配そうにそれぞれの部屋から顔を覗かせていた。
ケ「......開かないね...。」
内側から鍵をかける事は出来るけれど、外側から鍵は閉められない。
中からはドカドカと暴れているかの様な音が聞こえてきているから......何かしらの家具が扉の前に置かれているのかもしれない。
『ケイジさん...今はサラちゃんの身の安全の方が大切です。
いっその事、扉...蹴破っちゃいませんか？』
ケ「大胆だね...。
でも......それが最適かもねー。」
ケイジさんは扉に耳を当てて、サラちゃんの現在地を把握したのだろう。
ケイジさんが足を前へ蹴り出せば...扉はガンッと大きな音を立てて開いた。
.
部屋に入るなり、叫び声を上げ続けるサラちゃんに急いで近付く。
『サラちゃん...！！
落ち着いて...！！！』
サラちゃんは私達が入ってきた事にも気付かずに...床に座り込みながら...拳をガンガンと床に叩き付けていた。
いくらカーペットが敷かれているとはいえ...手には小さく切り傷が出来てしまっていた。
ケ「サラちゃん...しっかりしろ！」
ケイジさんの大きな声も...サラちゃんには届かない。
『サラちゃん！！！！
しっかりして！！私達の声が聞こえる！？』
項垂れるサラちゃんの肩をグッと強く掴み、顔を上げさせる。
サ「あ...A...さん...。
...ケイジさん......。」
涙目で...虚ろになった目で...サラちゃんは私達の名前を呼んだ。
『良かった...サラちゃん......。』
肩を掴んだままの手をゆっくりと...背中へ回し、上から下へと撫で下ろす。
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伊豆花織(プロフ) - みょんさん» 誤字のご指摘ありがとうございます！見直してきた所その通りでしたので、修正してきます！ (2022年9月10日 11時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
みょん - 129話の、レコチャンが サラ！ って言うシーンが サ「サラ！！」になってますよ！ 伝えるのが下手ですみません。 (2022年9月8日 20時) (レス) @page30 id: 5858736ed9 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 琉夏さん» ありがとうございます！ソワソワ、ワクワク、そんな気持ちを感じさせるストーリー展開が出来るようにこれからも頑張って行きます！！ (2022年8月31日 18時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
琉夏 - ずっとソワソワが続く良いストーリーですね。 (2022年8月30日 22時) (レス) id: 6530ebbf23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2022年8月27日 17時
