１２２話「認めたくないけど」 ページ23
結局...真剣そのもののケイジさんに抗える訳も無く、部屋へと連れ込まれてしまった。
ケイジさんに促されるまま...ベッドに腰を下ろして、隣合っている。
そんな状況の中...。
『.........あの...ケイジさん...。』
ケ「ん...どうしたの？」
ケイジさんは...あくまでも平然を装いつつ、少し下を向く私の顔を覗き込んでくる。
そんなケイジさんの表情の外では...
ベッドの上に投げ出したままの私の手を...好き勝手に弄んでいる。
指を絡ませてみたり、自分の手と重ねてみたり...。
手の甲を指でなぞってくるのだ...。
『っ...わ、私...！
自分の部屋、帰ります！！
ケイジさんも...今日は休んでください！！』
そう言って、立ち上がろうとした私の右腕は...ケイジさんによってベッドへと縫い付けられた。
ケ「帰したくないって言ったら...留まってくれるの？
...Aちゃん、その顔反則。
オレがAちゃんの事を本気で好きだって事、忘れちゃダメだよ。
恋人の事を忘れて何て言わない。
...だけど、少しでもオレに惹かれたんだったら......オレを選んで欲しい。」
『っ...ケイジさん。』
目に籠った熱が......嫌でも気持ちの真っ直ぐさを伝えて来るのだ...。
こんなの、認めたくないっ......！
でも、認められないだけで....私の心は少しずつ...確実にケイジさんへと流れかけている。
何かと私を気にかけてくれたのも...。
私を信じてくれたのも...。
辛い時、私の側にいてくれたのも...。
全て...ケイジさん。
全部...ここへ来てからの出来事だけれど、
それだけでも...私の心を支え続けてくれた。
.
.
.
恋は...３年で冷めるって言葉を聞いた事がある。
そんなのは...ウソだって思っていた。
１日だって忘れる事は無かったし...彼を思うだけで幸せだった。
...あはは。
......なんて...ウソ。
アリスさんにああは言ったけれど...私だって彼の事を正確になんて思い出せない。
声も...顔も......もう殆ど覚えていない...。
ケ「Aちゃん？」
ギュッ...と押さえ込む様な手への重みは無くなっており、部屋を出て行こうと思ったら何時でも出て行く事が出来る。
でも...私はしなかった。
『.........ケイジさん。
もう少しだけ...側にいさせて下さい......。
今は...１人になりたくありません......。』
ケ「...もちろんだよ。
気が済むまで...オレの側にいて。」
そして...再び手を優しく握られた。
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伊豆花織(プロフ) - みょんさん» 誤字のご指摘ありがとうございます！見直してきた所その通りでしたので、修正してきます！ (2022年9月10日 11時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
みょん - 129話の、レコチャンが サラ！ って言うシーンが サ「サラ！！」になってますよ！ 伝えるのが下手ですみません。 (2022年9月8日 20時) (レス) @page30 id: 5858736ed9 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 琉夏さん» ありがとうございます！ソワソワ、ワクワク、そんな気持ちを感じさせるストーリー展開が出来るようにこれからも頑張って行きます！！ (2022年8月31日 18時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
琉夏 - ずっとソワソワが続く良いストーリーですね。 (2022年8月30日 22時) (レス) id: 6530ebbf23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2022年8月27日 17時
