死なないために足掻きましょう。１１【キミガシネ】 (ページ47)

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５４１話「庇ったせいで」ページ47

ヒ「ねえ、サラ先輩。
そろそろ手分けして、手がかり探さない？

人数も少ないし、やれることやろうよ。」

ヒナコちゃんからの提案。

エレベーターは動いたのだろうか？
ケイジさんは、Ｑタロウさんは、マイさんは...無事なのだろうか？

心が不安定になっているから、今何を考えても悪い方向に考えてしまう......。

サ「いいだろう...。
くれぐれもみんな注意してくれ。
自分の身を...第一に考えるんだぞ。」

皆、それぞれに別の場所へと向かって行く。

私は...フラフラと充電器のある部屋へと向かった。

.

.

『.........。』

ク「...んだ、Aか。」

クルマダさんは変わらずに大人しく充電を続けてくれている。

『...っぅ......。』

私とカンナちゃんを庇った事で腹部に大きな穴が空いてしまったクルマダさん。

臍部の上辺りから、胸元にかけて大きく損傷している。
内部のパーツは丸見えで、本来白であろう結膜は...色が反転してしまったのか黒く染まっている。

クルマダさんの今の姿は...どうしてもアリスさんの事を思い出してしまう。
人間ならば、即死であろうレベルの怪我をして...苦痛の表情を浮かべながらも、まだ無事であるクルマダさんに...この先の命も望んでしまう。

ク「......ジロジロ見てんじゃねぇよ。
オレは見せもんじゃねぇぞ！」

『...ごめんなさい。
でも、どうしても...心苦しいんです。

私の事なんて...庇わなければ、こんな事にならなかったのに......。』

ク「......ふんっ...。

お前は...ケイジの無事だけ、祈ってろ。」

クルマダさんも...ケイジさんの無事を心配してくれてるんだ......。

何だか、嬉しい。

ア「クルマダー！生きてる！！

......って、Aさん！？」

アンズちゃんが部屋の中に入って来た。
私達の話の内容が内容なだけあって、アンズちゃんが来た事で...暗くなっていた空気が一気に明るくなる。

『じゃあ...私も探索に行ってきます。

クルマダさん、無理はしないで下さいね？
アンズちゃん、クルマダさんの見張り...よろしくね？』

それだけ言い残して、ロッカールームの方へ向かう。

ケイジさんの事もあるし、警察署の中が...気になるな。
行ってみよう。