死なないために足掻きましょう。１１【キミガシネ】 (ページ5)

今日:29 hit、昨日:1 hit、合計:8,663 hit

４９９話「私の...指紋？」ページ5

１人、教室へと戻って来た。
ここには誰も居ないのに、ミドリはさっき教室を訪れた時と同じ様に...楽しそうに揺れていた。

ミ「あれ...？
A、ここに来たって事は...もしかしてボクの所に戻って来てくれるのかな。」

『違う。
いいから、理由は聞かずに...制御室に付いて来て。』

グイッと腕を掴んで引っ張って行く。
思ったよりもスンナリと付いて来てくれるのが妙にも感じるけれど...今は時間の方が大切だった。

.

.

.

サ「Aさん...！！
ほ、本当に...ミドリを連れて来れたんですね！」

『お待たせ。
予想してた事とはいえ、やっぱり皆の指では...反応は無かったんだね......。』

サラちゃんが心配そうに私の到着を迎えてくれる。
ガッカリとした様な皆の反応から見ても...ここにいるメンバーの指では解除出来なかったという事であろう。

ミ「セキュリティを発見したんだね！
流石だよ！

Aがボクをここに連れて来た理由は...ボクの指でギミックが解除出来るって思ったからだね。」

『...そう。
だから、早く...そこに指を当てて。』

さっきと同じ様にして...機械の前へとミドリを連れて行こうとするけれど、今度は素直には付いて来てくれなかった。

ミ「まあまあ...そんなに焦らないでよ。
まだ、Aの指では...確かめて無いでしょ？」

『やめっ...！』

逆に...ミドリに手を掴まれて、右手から順番に指紋認証の場所へと指を押し付けられて行く。

そして.........左手の薬指へとたどり着いた時だった。

押し当てられた指に...センサーが反応して、青く光った。
同時に...視界の左側で......モニターがパッと付く音も聞こえて来た。

『な...なん...で...。』

カ「そ、そんな事って...あるん...ですか......？」

シンさんのAIが映し出されていたモニターの隣。
見間違える訳も無い......

私の...自分自身の......顔。

皆の...息を飲む音も聞こえて来る。

［んっ.........ふわぁ......。

あれ...ソウ...さん？

と、私...！？］

眠そうに目を擦って、小さく欠伸をしている私が...モニターの向こう側にいた。