死んだら苗字が北になってました。【HQ】

19話 ページ19

角名は部室に寄ったのか、ゼッケンを持っていた。

『、、、すな。』

角名｢なんで俺だけ苗字呼びなの。てかさっき2年の先輩と話してたの、Aだったんだ。｣


『すなってなんか呼びやすいやん。さっきのお姉ちゃん、なんて名前かわかる？』


角名｢確か、輪瀬紬(わせつむぎ)先輩と上野玲奈(うえのれいな)先輩だよ。｣


『つむぎちゃんとれいなちゃんか。今度お礼したいなあ。』


角名｢そろそろ練習始まるよ。A、見に来たんでしょ？｣

『！うん！信ちゃんに会ってくる！』



体育館の入口に走っていこうとすると、後ろから角名に引っ張られた。

角名｢それ、持っててあげる。先言ってていいよ。｣


角名がさしたのは私が持っていた重箱。

あんた、やっぱイケメンだよね。


身軽になった私が走っていくと、角名はゆっくり後ろを着いてきた。



ｶﾞﾗｯ


『こんにちはー！』


重い体育館の扉を少し苦戦しながら開けると、似た背格好の金髪と銀髪が駆け寄ってきた。



侑｢A、久しぶりやな！最近バレー教えてやれんくてごめんな！｣


治｢飯の匂いがする、、、。お、A。｣


『侑くん、治くん、ひさしぶり！』



北｢A、迷わず来れたか？｣


『信ちゃん！バッチリやで！』




｢お、その子が北の妹か？｣


北｢監督。そうです。急にすみません。｣


北さんの後ろから監督。確か、、、黒須法宗(くろすのりむね)がやってきた。


黒須｢大丈夫やで。Aちゃんやったな。よろしゅうな。｣


『うん！』



北｢静かにしとるんやで。あそこに座っとき。｣

北さんは体育館の隅のパイプ椅子を指さした。

『はーい！』


私は大人しくパイプ椅子に座ってアップを始める部員達を眺めた。

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