#176 ページ26
side black
腕のヒビは1週間ぐらいの固定で治った
痣は中々ひかないがだいぶ薄くなってきた
抗がん剤の治療には影響がないため
最後の8クール目が開始
吐き気は相変わらずあるがだいぶ慣れてきた
矢崎先生やマイケルも吐き気どめの調整をしてくれている
食べることは出来ないが
点滴に栄養のあるものを入れてくれている
9月の初め、抗がん剤が終わる頃には
体重はさらに落ちて47kg程度になった
俺は比較的身長の高いほうだから余計に痩せてしまったのが目立つ
移植した時と同じくらいだ
兄「北斗、また頑張って太ろうな」
兄が俺の身体を見て言ってきた
「そうだよね、、またガリガリになっちゃった」
自分の身体を触るとほぼ骨と皮膚
軽くため息をついた
兄「あっ、そうだ！
9月の29.30日にライブやるらしいよ
一応チケットとったけど北斗、どうする？」
「・・あ〜、うん、、どうしよう」
兄「行ってみる？」
「まだ考えさせて、、体調とかもあるし
俺のいないライブを見てみたいは見てみたい
だけど、、せっかく5人でこんなに成功しているのに
俺の存在をちらつかせたくないのは変わらない」
兄「そっか・・まあ行きたくなったら言って」
「うん、、ごめんね」
兄「謝んなよ、、北斗の好きにしろ
いつでもどんな状況でも俺は北斗の味方だよ」
兄ちゃんはいつもそうだ
常に俺の味方でいてくれる
そりゃ
行きたいは行きたいよ
俺も参加したいとか
戻りたいとか
そういうことじゃないんだ
勝手に抜けといて
都合のいいやつと思われるかもしれない
けど、、
5人がファンのみんなを幸せにしているところを
みて一旦区切りをつけたい
観に行くこと自体
許されないかもしれないけど
5人は優しいから
観にきた俺のことを何とも思わず受け入れてくれるかもしれない
でも、それではもうダメなんだ
どうせもう体力は回復することは難しいんだから・・・
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作者名：ちきん | 作成日時：2019年9月30日 18時
