貴方達の幸せは俺の幸せ4 (ページ21)

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時々彼らの動向が気になり
ネットで検索している

台湾や上海、イギリス、ベルギーでの公演は大成功でスタンディングオベーションまで起こったぐらいと書いてあった

記事の写真を見たが
変わらぬ５人が手を繋いで挙げて微笑んでいた

誇らしいな

俺もこのグループにいたんだもんな

そして
キラキラ輝いている彼らと
ずっと病院にいる俺。

すでに月とスッポンぐらいの差がついている

もう俺のいる場所は完全になくなったことを
思い知ったんだ

_________

8月に入った頃
7クール目が終わり2週間の休薬期間に入った

白血球もそんなに下がることなく
体調も良かったため
1日外出の許可が出た

お母さんと兄ちゃん、おじさん、おばさんが迎えに来てくれた

矢崎「松村さん、少しでも体調が悪いと感じたら必ず帰ってきてくださいね」

「わかりました」

病院を出ると強い日差しが照りつけていた

兄「北斗、暑いな
でも日焼けはダメみたいだから、ごめんな」

そういって兄ちゃんは俺に薄手の長袖パーカーを着させてくれた

俺は長袖に、長ズボン、帽子に、マスクといかにも怪しい格好

アメリカでは風邪でもマスクをしていること自体が珍しいらしい

おじさんの車に乗り込んだ

おじ「北斗くん！どこか行きたい場所ある？」

「うーん、、日本人街行きたい」

おば「リトルトーキョー？」

「うん、日本にいる時から少し行ってみたいなって思ってたんだよね」

母「体調大丈夫？」

「うん、大丈夫、比較的調子いい」

兄「そっか、、そう言えばNisei weekやってるよ
少し日本人多いけど大丈夫？」

「あぁ、そっか、、そうなんだ
やっぱりやめようかな」

おじ「あんまり日本人多かったらやめたらいいんじゃない？行くだけ行ってみようよ
車から見るだけでもいいし」

「うん、、じゃあそうしようかな」

そういうとおじさんは車を走らせてくれた

病院から20分ぐらい走ると日本人街に着いた

車から眺めると少し日本人が多い気がした

兄「北斗、どうする？」

「、、この格好だったら大丈夫だと思う
それにもう表舞台から居なくなって半年以上経ってるし、俺のことなんか誰もおぼえてないよ」

おじ「少しでも無理そうだったらすぐ車に戻ろうな」

兄「俺の後ろにいろよ」

「うん」

おじさん、おばさんの後ろに
兄ちゃん、俺、お母さんの順で後ろについて歩き始めた