#138 ページ38
side black
慣れたように病院の裏口から入り
土田先生のもとまで向かった
土田「松村さんお待ちしていました
体調はどうですか？」
「さすがにちょっとキツかったです」
土田「そうですか・・
あのやはり２つ輸血をやると終わるのが夜中になってしまうので1泊入院するのはどうでしょうか？」
「・・帰る手段もなくなりそうだし、、
明日は仕事は午後からなんで、そうさせてもらいます」
そういうと土田先生はどこかに電話をかけ始めた
その隙に後ろにいたマネージャーに声をかけた
「立花さん、申し訳ないけど兄ちゃんに連絡しておくから俺の着替えとか持ってきてくれない？」
マネ「わかりました、ではまた来ますね」
マネージャーが部屋から出ていったと同時に
土田先生の電話が終わった
土田「松村さん、前と同じお部屋に案内しますね」
土田先生が立ち上がったため俺も急いで立ち上がった
部屋に着くと少し懐かしさも感じた
そう物思いにふけていると
看護師さんがやってきてすばやく点滴の針をとっていった
その後に赤血球の輸血が来たため早速投与開始した
しばらく投与していたら
土田先生が少し焦った感じでやってきた
土田先生はベッドのそばに椅子を出して座った
土田「松村さん、よく聞いてください
お仕事前に採血とりましたよね？
その結果が先程全てでたのですが、あまり芳しくありませんでした
ここを見てください、芽球です
芽球か25%あります、そして白血球も19000あります
骨髄検査を再度してみないとわかりませんが
再発している可能性が高いです」
言葉を失った
あんなに頑張ったのに
兄ちゃんから移植までしたのに
何も言えずにいると土田先生が再度口を開いた
土田「明日朝一で骨髄検査をさせてもらいます
そして治療を早く行った方がいいでしょう」
またあの辛い治療をしなければならないのか
「あの......来年の2月からツアーをやるんですけど
間に合いますか？」
土田「それは、、厳しいと思います」
また彼らに迷惑をかけてしまう
もうこんな俺の存在価値はゼロに近い
「・・そうですか
もし治療をしなければどうなりますか？」
土田「芽球の増えるスピードが恐らく早いので
非常に言いにくいんですが・・・
半年以内に亡くなる可能性が高いです」
あぁ
半年以内か
そんなん言われたら
治療するしかないじゃん
もうこんな身体、嫌だよ
どうして
どうして
俺ばっかり
悔しくて涙が流れた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 350人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちきん | 作成日時：2019年8月22日 14時
