#49 ページ49
side black
点滴の針を刺し直してもらって
着替えもさせてもらった
また熱上がってきたかな・・
ちょっとしんどい
それにさっきは血小板が低くて血が止まらなかった
多分こーちと大我はなにか感じているかも
もしかしたら他の3人も勘が鋭いから気づいているかも
カーテンを開けた時にみんなに何か言われたら
だるいし頭が働かないため上手く返せる自信がない
ちょっと寝たふりしよう
そう思ってベッド周りを看護師さんが整えている間に目を瞑った
看護師さんがカーテンを開けたときに
ジェシーが何か言っていたが
5人は置き手紙をして帰っていった
ちょっとしてから目を開けた
包帯でぐるぐる巻きにされた右腕をみて少しため息をついた
嘘をつき続けるほうもしんどいんだな
自分の中ではわかっていたんだ
多分このまま治療を続けていっても精神力や体力が耐えられない
またこんなことを繰り返す可能性もある
そうしたらSixTONESを辞めなきゃいけないことも
辞める時のためには
何で嘘をついていたんだ
って思われるくらい嫌われないと
SixTONES好きだな
もっとみんなと
ふざけたり
悔しがったり
喜び合ったり
笑いあったり
したかった
そんなことを思っていると泣きそうになった
----トントン
病室のドアが叩かれた
「はい、どうぞ」
土田先生が入ってきた
急いで涙を拭った
土田
「皆さん帰られたみたいですね. 松村さんにさっきお伝え出来なかったことがあるので来ました.
入院の時に取った採血で芽球が22%に増えていました、治療効果はほぼ無かったものと考えられます. さらに強い抗がん剤の治療が必要だと思っています. 副作用が今までのより強くでます、その為には入院が必要なんですが・・・」
先生はまだ喋っているが
頭に全く入ってこなかった
俺に災難降りかかりすぎだろ
もう涙も出ない
今までより強い治療か・・・
そろそろ本当に引き際を考えないと
みんなに迷惑がかかる
土田
「松村さん！聞いてますか？辛いのはわかります、でも松村さんは早いうちから治療が出来ている. ちゃんとした治療を行えば治る可能性も高いんです. 現在の医療は日々進歩しています、松村さんに合った治療を探すのは大変ですが絶対にあると信じて頑張りましょう. 僕も最大限努力します」
「はい・・」
先生の顔を見ることが出来なかった
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作者名：ちきん | 作成日時：2019年7月18日 20時
