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いつだって優勢なのは彼の方。気に食わないけど、本当に嫌なわけじゃなくて。
煮え切らない自分にイライラして、八つ当たりにもう授業始まるから、と彼の身体を無理やり前に向かせた。
*
「なあ、お前と仁王って付き合ってんだよな?」
昼休み、私にパンを集りに来た丸井君がふいにそう訊いてきた。仁王は昼寝でもしているのか、この場にはいない。
「なにいきなり。……まあ、そうなる、のかな」
「だよなぁ」
「……なんで?」
「いや。お前ら、仲良いけど…………恋人っぽくねぇな、と思ってさ」
彼にしたら自然に湧いた疑問で、何か意図があった訳では無かったのかもしれない。──しかし、その発言は何故か深く私と胸に刺さった。
*
さようならの挨拶を合図に、勢いよく生徒が廊下へ動き出す。ざわつき始めた教室の中、それに紛れるように彼が話しかけてきた。
「A、一緒に帰らんか」
「部活は?」
「今日は休みなんじゃ」
「ふーん……いいよ、帰ろ」
彼の部活がない時に一緒に帰ることは珍しくない。私たちが付き合っていることは周知されている事実なので不自然ではない。……きっと、違和感を感じているのは私だけ。
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紫梦(プロフ) - メロンさん» 作業用に仁王君の曲探してたら見つけました。とても良い曲でした!笑 ほんとにリクエストに沿えてるか不安でしたが、そう言って頂けて嬉しいです。リクエストありがとうございました!よろしければまたリクエストお願いします。 (2018年8月31日 22時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - Fake聞きながら、描いたんですね笑。可愛かったです!リクエストありがとうございました!また、機会があればよろしく御願いします! (2018年8月31日 22時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 了解です!できるだけご期待に添えられるように頑張ります。少々お時間頂くかもしれません…! (2018年8月26日 8時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 紫梦さん» では、お言葉に甘えて…。初で奥手な仁王くんがみてみたいです~(^w^) (2018年8月26日 2時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 世界観だなんてそんな…!私には勿体ないくらいの褒め言葉です…ありがとうございます!仁王くんですね、了解致しました!なにか設定やシチュなどのリクエストあればお願いします〜前の仁王君と被るといけないので! (2018年8月25日 21時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫梦 | 作成日時:2018年7月31日 21時