sweet 2 ページ3
丸井side
だるい。
非常にだるい。
春といえばお花見の季節だ。
と言う事は、お菓子だってまた
春バージョンになってる訳で。
なのに。
「お菓子がなくなった。」
「なくなったんじゃなくて、
完食したの間違いじゃろ。」
「うるせぇ」
何時もより少なめに持ってきてたから、
部活の前に食べ終えてしまった。
だから、だるい。
はぁ…。
「そんなに落ち込むなよ…。
お前いつもガムもってたろ。
あれで我慢しとけ。」
「あーー…教室。」
「取ってこいよ。
真田には言っといてやるから。」
「じゃあ、そうするか…。
サンキュー、ジャッカル。」
「おう。」
そんな訳で教室に常備してある
チューインガムを取りに行くことになった。
つっても、あと4分で部活開始時間。
今日はダブルスの練習って言ってたし、
ジャッカルに迷惑かけちまう。
「いそぐか。」
遂に3学年に進級した俺たちの教室は、
学年を追うごとに上の階へと上がっていく
変なシステムに則って、
3階になってしまった。
絶対おかしいよな。
寧ろ学年上がるごとに階を下げて
欲しいものだ。
そうしてる内に階段の前まで来てしまった。
さて、どうしたものか。
いそぎたいがエレベーターなんてもの
うちの学校には無いし。
…、氷帝とかはありそうだけど…。
しょうがない。
階段、駆け上がるか。(((
体力には自信がある。
駆け上がれば何とか真田に怒られずに
すむ時間に戻れそうだ。
そうして階段を駆け上がったとき、
美術部が描いたのであろう、
素晴らしい出来栄えのポスターの中の、
«廊下は走るな‼»
の文字がふと目に留まった。
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作者名：美音 | 作成日時：2018年4月9日 11時
