第6話 ページ6
…夏目に「大人しくしていろよ」と言われ、夏目は学校とやらへ向かってしまった。
今ここにいるのは僕と、この丸い猫だけである。
途中で塔子さんがご飯だと果物をくれた。人形になり果物を食べ終えると、皿を片付けにきた塔子さんが「あなた綺麗に食べるのね」と目を丸くした後笑っていたのが印象的だ。
「…ところで、お前は何故ここにいるのだ？」
「…質問の意味が分からないんだが」
「お前ほどの力を持った妖が近くに居たら、すぐに辺りに知られている」
「…」
「しかし噂になっていない。ならばここへ来たのはつい最近だろう」
この猫は思いのほか頭がキレるらしい。
「鋭いな、ブタ猫のくせに」
「なにぃ！私はブタ猫ではない！本来の姿はそれはそれは優美な姿なんだぞ！」
「そうか。白い獣の姿なんだったな。確か名前は……"斑"、と言ったか」
名を告げた瞬間、猫が固まった。
違ったのだろうか。
「違ったか」
「…いや、合っている」
合っているようだ。猫…もとい斑は目を細め、声を低くして言った。
「何故名乗ってもいない夏目の名を知っていた？私の名前も先生ではなく斑と呼んだ。…お前、どこまで知っている？」
斑の目は有無を言わせなかった。
「…最近ここらへ来た時に、低級の妖が噂をしていた。友人帳の夏目がいるぞ、と」
「最近の噂話は顔まで浮かんでくるのか？」
「いや。昔1度だけ、仲間の烏天狗にここへ連れられたことがあってな。そこで夏目レイコを見かけたんだ」
「レイコだと？まさかお前、友人帳狙いか？」
斑の声に怒気がまじる。
僕は静かに首を横に降った。
「見かけただし興味もない。ただ、何故だかレイコの顔は覚えていたんだ」
「成程な、それで顔が似てる夏目をみてそう思ったのか」
ご名答、と僕は続ける。
「斑という名前は、ここの山で出会ったヒノエという妖から聞いた」
「あいつか！余計なことをしおって！」
「それで、疑いは晴れたか」
「…ふん、今の所はな。だが夏目に手を出したらこの私がお前を食ってやる」
黒い目をより細めて、斑は僕を牽制する。そんなことはしないというのに。
「手厳しいな。泣きそうだ」
「馬鹿言え。表情一つ変わっていないではないか。気味の悪い」
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ここ - なんで面白いとこで止めるんですかあああああ続きをください！！！！更新待ってます！！ (2018年10月6日 23時) (
レス) id: 13a4e8f4bd (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 鈴木さん» いえ､私が単にあまり読んでないんで知らないだけかと…｡これからも更新頑張ってください！！ (2017年2月20日 14時) (レス) id: bb18c895b3 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木(プロフ) - 時雨さん» ありがとうございます！妖怪主多いと思ってたんですが少ないんですね… (2017年2月9日 9時) (レス) id: 6735b4f99f (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 妖怪主は初めて見ました！凄く面白いです！続き楽しみに待ってます(`･ ω･´)ゞﾋﾞｼｯ!! (2017年2月9日 8時) (レス) id: bb18c895b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴木 | 作成日時：2017年1月2日 13時
