第12話 ページ12
授業が終わり、下校時間になったあと、西村と北本には一緒に帰れない趣旨を伝えた。2人は笑って、また明日、と言って帰っていった。
「多軌、ちょっといいか？」
まだ帰っていなかったことにほっとして、多軌に声をかける。
Aには一応知り合いにも声をかけると事前に伝えてあるので心配はない。
彼女は振り向くと、きょとんとした顔をしてどうしたの？と聞いてきた。
「あの…あ、妖絡みで聞きたいことがあるんだ」
人前で軽々と言えないことなので、なるべく小さな声で喋った。
多軌は目を瞬かせたが、分かったと急いで帰る準備を済ませた。
❀✿
「更科さんかぁ…」
大まかにAの事を話して聞いてみると、多軌もあまりピンと来ていないようだった。
「先生が更科家は一際妖力の弱い家系だったけど、妖の間では有名だったって言ってたんだけど…」
「何か心当たりとかないか？」
「妖力の強い家系についての本は確かあったはずだけど…でも妖の間で有名ならきっと書いてあるはず…」
私も頑張って調べてみるね、と多軌はそう言って笑った。
やはり多軌も頼りになる友人の1人だ。
❀✿
「みんな探してくれるらしいぞ」
「…君の周りはお人好しばかりだな」
そんな事をいうAだがなんだか嬉しそうに見えた。
少しだけだがAの表情が豊かになったような気がする。
「俺の周りは、優しい奴ばかりだよ」
「ああ…ほぼ諦めて、死ぬのもいいかとも思っていたが、もう一度探してみようと思えた」
丁度怪我も治りかけだしな、とAは呟いた。
まだ飛ぶことは難しいが、だんだんと元気を取り戻し、妖力はある程度コントロール出来るようになったらしい。
「手助けをしてくれるという君の友人達にも礼をしなくては」
「でも2人とも妖は見えないんだ。感じることは出来るけど」
「心配には及ばない。人間に見えるような姿になるのは容易い」
そう言って、Aは姿を変えた。一見何も変わらないように思えたが、羽はなくなっていて、普通の青年のような姿だった。
「ある程度元気になった今では飛ぶこと以外は大抵出来る」
これなら礼が言えるだろう、と言うAは無表情ではあったが、やはり何処か嬉しそうだった。
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ここ - なんで面白いとこで止めるんですかあああああ続きをください！！！！更新待ってます！！ (2018年10月6日 23時) (
レス) id: 13a4e8f4bd (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 鈴木さん» いえ､私が単にあまり読んでないんで知らないだけかと…｡これからも更新頑張ってください！！ (2017年2月20日 14時) (レス) id: bb18c895b3 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木(プロフ) - 時雨さん» ありがとうございます！妖怪主多いと思ってたんですが少ないんですね… (2017年2月9日 9時) (レス) id: 6735b4f99f (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 妖怪主は初めて見ました！凄く面白いです！続き楽しみに待ってます(`･ ω･´)ゞﾋﾞｼｯ!! (2017年2月9日 8時) (レス) id: bb18c895b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴木 | 作成日時：2017年1月2日 13時
