譲れないモノ【狂犬】 (ページ16)

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相良SIDE

Aが、目を閉じる

俺は一生懸命名前をよんだ。だけどこいつには聞こえてねぇみたい

「おい！相良！救急車呼んだ！」

智司の後ろには救急隊員がいた

そいつらは、急いでAを慎重に運ぶ

おれの腕の中は空になった。

救急車のサイレンは次第に音が小さくなる

A。無事でいてくれ

俺は可能性を信じた。

「おい、大丈夫か？」

「……あぁ。、」

「俺らも、病院に向かうぞ」

智司が俺の腕をもち立たせてくれた。

だけど、ガクンとおちる力が入らない足。

「おい、お前まで倒れそうになってどうすんだよ！」

「ハハッ。すまねぇ」

再び立ち歩いて、病院に向かう

なんかいつもの日常に戻ったきがした。

「智司。三橋と今井はどうした。」

「途中で見失ってしまった。すまねぇ。今、下のヤツらに探さしてる。」

「そうか。」

三橋といい、伊藤といい、今井といい。

Aだってそうだ。

よくもこの俺をコケにしてくれるじゃねぇか(笑)

Aに関しては許すけど。

「歩けねぇんだったらお前も診察されるか？」

そう言って真顔で俺に向かって言ってくる。

「いや。どー考えたってもー普通に歩いてんだろ。」

「いや。少しふらついてるようにみえて」

「疲れてんだよ」

「良かったら睡眠薬でも」

「、、、いらねぇーよ！！てかお前それどうした！？寝れない悩みでもあるのか！？！」

あ、シュンっと落ち込んだ。ガタイだけなのかコイツわ。。

ポケットから出した睡眠薬をまた元の場所にもどす智司。

絶対、俺よりこいつの方が診察されるべきだわ。

だけど、今は智司の、頭のネジが抜けた感が、
少し俺の気持ちを軽くしてくれた。

「お、でかい病院だなあ」

「最近新しく出来ましたって感じだな」

病院の中にはいる

俺達の古びた廃墟校舎とは真逆で

この病院は綺麗で設備もしっかりしていそうだった。

ただの病院の第1印象だけれど、その印象のお陰で助かる可能性があると思えた