SixTONESのもうひとつの物語 (ページ45)

今日:8 hit、昨日:23 hit、合計:78,273 hit

過去のお話⑨ ページ45

それから少クラで7人でSIX SENSESを披露した。
7人でのパフォーマンスは久しぶりで懐かしい感じがした。
でもどこか居心地が悪くて、気まずくて、みんなも私に気を使っているのがわかった。
今ステージに7人でたっても、私は足を引っ張るだけだ。そう思った。

翌月にはまたバラバラになった。

その春のジャニーズ銀座には出演することは無かった。
他の6人が一緒に出るということで楽しみにしていたけれど直前でバラバラになってしまったらしかった。

その間も1人の仕事を続けた。
少クラでみんなに会っても挨拶をかわすだけ。
どんな距離で話していたかわからなくなってしまった。
他の6人もそれぞれ色々な思いを抱えていて、私も進路を考える時期になっていた。

後の雑誌の京本くんと北斗くんの対談でバカレアへの未練はなくなったというのを見て複雑だった。

この仕事はいつまでもできるとは限らないことは分かっていた。やめた後でも大丈夫なように大学には進学しておこう。そう決めた。

ある日の少クラ後、ジェシーに呼ばれた。

ジ｢久しぶり、A｣
ジェシーは変わらない優しい笑顔で話しかけてきた。

花｢久しぶりだね、ジェシー。なにか話があるの？｣

ジ｢ここじゃあれだからどこかお店行かない？｣

Jrの誰かとご飯に行くのはポリシーに反したけどジェシーの真剣な顔を見て、

｢うん、わかった｣そう言って2人でお店に向かった。

お店に着くとジェシーはすぐに話を切り出した。

ジ｢俺、まだバカレアのこと諦めてない。｣

花｢…うん｣

ジ｢もう1回7人でやりたいって思ってる。ほかのメンバーにも声掛けて1曲だけでもいいから歌わせてもらおうと思って、｣

花｢…うん｣

ジ｢Aは迷うかなと思って先に声掛けた。…どうかな｣

花｢…バカレア、楽しかった。私もみんなと歌いたい。｣

ジ｢じゃあ…｣

花｢でも、今の私はみんなの足を引っ張るだけだと思う。それにグループになれたとして女子がいるのはマイナスにしかならないよ。ジェシーだって分かってるでしょ？｣

しばらく沈黙が続いた。ジェシーが口を開いた。

ジ｢俺は、Aがやりたいかやりたくなくないかを聞いてるの。性別だってAが1番関係ないって思ってるでしょ？足を引っ張るとかそんなのお互い様だよ。1回でいいからもう一度やろう｣

ジェシーはいつだってまっすぐだ。私を見つめる瞳も思いも。

花｢…やりたい｣