SixTONESのもうひとつの物語 (ページ35)

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森本慎太郎side ページ35

小さい頃からセンターに立ってステージに立つ俺にとって同い年で活躍してる2人は心強かった。

友達も減っていったけど、きっとあの二人もそうなんだろうな、あの二人の方が色々言われて辛いだろうなそう考えると俺も頑張れた。
特に接点はなかったけど俺は勝手に2人に親近感を抱いていた。

何年かたって俺が主役でドラマが決まった。
台本を見ると、小さい頃から一緒に仕事した京本大我、さらに花村Aの名前もあった。
嬉しかった、ずっと一緒に仕事がしたかったから。

早速声をかけた。最年少同士だったし仲良くなりたかったから。
Aは思っていたより話しやすかったし、優しかった。何より無自覚なのに可愛かった。

きっと樹なんかは惚れてるんじゃないだろうかとも思った。でもAはプロ意識がものすごく高くて一切そういう隙を見せなかった。
だからこそ小さい頃からこの世界で活躍できているんだろうな。

バカレア組の仕事が減ってきたとき、白井怜が事故で死んだ。
俺もショックだった。
ほとんど絡みがないままさようならだったから。
でもそれよりショックなのはAだろう。

数日後少クラに来たA
俺は遠くから眺めていた。
その日の絆は間違いなく、ファンの人にも心に残ることになっただろう。

それなのに次にステージに立ったAはまるで別人だった。俺がいちばん近い存在なのにかけてやる言葉が見つからなかった。悔しかった。

Aはドラマや舞台にシフトチェンジした。
演技の彼女は生き生きとした感じを醸し出していたけれど、やっぱり俺は歌って欲しかった。

しばらくして久しぶりにAが戻ってきた。
目があって俺は笑いかけた。するとAも少し安心したように笑った。

ステージに立つAの笑顔はなんだか本当の笑顔じゃない気がした。

また結局俺は何も出来ないのだろうか…