SixTONESのもうひとつの物語 (ページ28)

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映画化が決まるとさらに1段とAと仲良くなれた気がした。
そこで気づいたのは仕事の考え方とかが似てること。
いつかまた一緒に仕事がしたいその思いを抱え映画の撮影を終えた。

ドラマ、映画が終わっても雑誌や、先輩のバックで一緒にバカレア組として活動することができた。
Aの笑顔はとても可愛かった。妹みたいで、守ってやりたくなった。
7人で1緒に歌うことも出来た。
やっぱりAの声はドンピシャで心地よかった。

2人で歌うことは無いままバカレア組の仕事が減っていった。

ある日、仕事に行くといつもよりJrがざわついていた。なんだろうと思って近くにいたじゅりに聞くと耳を疑った。

田｢怜、事故にあって死んだらしい｣

京｢嘘だろ…｣

怜とはほとんど絡みがなかったが、Aと同じくらい才能があって華がある人だった。

京｢Aは！？｣

田｢わかんない、多分今日は来ない｣

２日後怜の死が発表された。

Aは今どうしてるんだろう…この先どうなるんだろう…
ただただAが心配だった

次にAに会えたのは少クラだった。
久しぶりにみたAは少し痩せていて、無くなったと思った壁がまたできたような気がした。
考えるより先に体が動いて声をかけた。

｢A｣
振り返ったAの顔はやっぱり辛そうで

｢辛かったら言えよ｣
なんて気の利かない言葉しかかけられなかった。

｢ありがとう｣

そう言って足早にその場を離れていくAの背中はすごく小さくて、今すぐ駆けだして抱きしめてやりたいくらいだった。

その日Aが1人で歌った絆は圧巻だった。
1人しかいないステージでものすごく繊細に歌う彼女はとても儚かった。
マイクを2本持っていったのはAなりのファンへのメッセージだったとすぐわかった。

歌い終わったAはきっと泣いた。
これまでにAは泣けたのだろうか。
Aは怜の死を受け入れられたのだろうか。

Aの笑顔はまた見れるのだろうか。

バカレア組は完全にバラバラになり、Aが歌を歌うところを見ることも無くなった。

そんなある日Aが少クラで歌うことが決まった。
本当は一緒に歌いたかったけどそんなこと言えるはずもなくて、Aの歌を楽しみに待っていた。

歌は、相変わらず上手かった。
…けど、何かが違う。全然笑わない、感情がないようだった。Aが戸惑っているのがわかった。

それからしばらくしてまたステージに立った彼女の顔には作り笑顔が張り付けてあった