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風磨side
ふあを送り届けたあとも
その鈍感っぷりは相変わらずで。
きっとAは涼くんに直接言われるまで気付かない。
それだけ
ちゃんとした教師でありたいっていう表れなんだろうけど。
職員テントに戻りながら
誰が活躍してたとか、クラスの順位の話だったり、
他愛もない話をする。
俺と何もなかったかのように話せることに
安心している様子もあるけれど
どこかそわそわとしている節もある。
テントに着いてそれは確信できた。
貴「健人さんは、、？」
それまでは口にしなかったのに、
きっと、ここに来れば姿が見えると思ったんだろうな。
迷子の子供のように
キョロキョロと不安そうな顔で辺りを見渡す。
風「今日は、もう顔出さないって。」
伝えないとずっと探し続けそうだから。
貴「え？
なにそれ、、なんで？」
こう伝えるだけでここまで冷静さを欠くんだから
今日あのあと実際に会っていたら
体育祭の終わりまで出て来れなかっただろうな。
風「中島からの伝言。
折角みんな来てるんだから、楽しんで。だと。」
貴「あ、、、。」
“みんな”と言う言葉に反応したんだろうな。
風「体育祭、楽しもうぜ。
良いとこまで来たんだからさ。」
“中島のことは、、”と言いかけたがやめた。
Aが1番よく分かってる。
今は体育祭が終わるまで気を抜いてはいけないこと。
中島を優先することを、中島自身が望んでいないことを。
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作者名：arry | 作成日時：2023年10月28日 0時
