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340 貴女side ページ15
貴女side
健「ごめんっ」
分かってる。
私が健人さんに伝えてきた言葉。
嘘なんかじゃない。
全部、本心のつもりで話した言葉。
なのに、一つもその通りにできなくて
中途半端で
こんな結末を招くことしかできなかった。
そんな言葉たちは
戯言も同然だ。
いつだって優しくて
ずっと守ってくれた健人さんをこんなに傷付けて。
資格がないことは分かってる。
けど、いま目の前で
涙を流しながらも笑顔を作ろうとする姿が
悲しいほどに健人さんらしくて
このままだといとも簡単に壊れそうで。
さっきは自分から拒んだくせに
そばに近寄って
貴「ごめんなさい」
その身体を
崩れてしまわないよう包み込む以外の方法を知らなかった。
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作者名：arry | 作成日時：2023年10月28日 0時
