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339 健人side ページ14

健人side






いつか来ると思っていながら





ずっと恐れていた現実。





夕方、Aからメッセージが届いた。





“体育祭、来て下さったのにすみませんでした。
ちゃんと、話したいことがあります。
これから、健人さんのお家に伺ってもいいですか?”





律儀な文面。





こんなメッセージひとつでも、愛おしいと思う。





何の話かなんてすぐ分かった。





ひとつ、深い深呼吸をして





“分かった。待ってる。”





そう、返事をした。






玄関で迎え入れた瞬間から





今にも溢れ出しそうな何かを抑えるように





小さく震えてるのが分かった。






初めて会った時のことを思い出した。





あの時は、抱き締めると子供みたいに泣き出した。






いつもと同じようにAに歩み寄る。





行動で、拒絶されたのは初めてで






ズキン





自分でも、思っていた以上に





心臓が痛んでしまって。





きっと、感情を誤魔化しきれていなかっただろうな。





Aの表情が少し、苦しそうで






貴「健人さんのことを、

裏切って、ごめんなさい」








ズキン






あぁ、Aらしい言葉だな。






“裏切って”というのはきっと、






貴「“好きです”って言ったことも」







ズキン






貴「"私は健人さんの味方です"って言ったことも」







ズキン






貴「今までの言葉、全部、守れなくて」





今にも泣き出しそうな声なのに





きっと、ケジメをつけようと必死に我慢してる。






Aの言葉ひとつ一つが






ご丁寧に、心臓を抉り取っていく。






健「Aが謝ることじゃない。

前から言ってるけど

全部俺がしたくて、やったこと。」






自分に言い聞かせる。





目の前で震える身体が、ブンブンと首を横に振る。






貴「健人さんへの言葉は、、全部、、」






分かってた。






この子は言葉の選び方を間違えることも。





俺が囲ったせいで





“好き”の意味を間違えさせたことも。





全部、分かって受け入れたはずなのに。






健「Aッ」






健「それ以上は、言わないで...」






言葉を遮った俺を見て






Aの瞳が大きく見開かれていく。






情けないな、、





何が“優しくて良い人の健人さん”だよ、、





結局、最後の最後にこんな姿しか晒せなくて。

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作者名:arry | 作成日時:2023年10月28日 0時

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