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貴女side




風「んじゃ、俺らもそろそろ帰りますか。」




貴「うん。」




沈みかけの夕日の色を浴びて





2人、出口のゲートをくぐる。





長い1日だった気がする。





駐車場に向かいながら






体育祭という一区切りがおえた実感もやっと出てきた。





貴「あ、風磨もあと1週間か、、」





不意に思ったことをぽつりと口にする。





風「そうだな」





貴「1ヶ月前に再会したと思えないな、、」





寂しいとかそんなんじゃなくて





風「職員室での再会がもう懐かしいもんな」





貴「うん、なんか不思議。」






あれだけ避け続けた風磨と、





再会した途端に時間の進み方が一変した気がする。





関係性は違えど、同じ教室で





授業をしたり、放課後に残ったり。





あの頃から変わってしまった私に、





あの頃と同じように接してくれて





風磨のそういう分け隔てないところが好きだった。






その隣が安心できる場所だった。






貴「ありがとう」





風「何のお礼だよ

ってか、お礼言うならこっちの方だろ。

散々面倒見てもらったんだから。」





貴「私そんなになにもできてないし、、」





風「またそうやって卑下する。

今回の実習めちゃくちゃ身になったし

俺は、、、」





言いかけて、止まった






貴「ん?」






風「いや、

てかまだあと1週間残ってんだから

勝手に終わらせようとしないでくれる?」





貴「ごもっともで。」






何を言いかけたのかはぐらかさらた。





風「んじゃ、ほんとに帰るぞ」





貴「うん、お疲れ様」





風「お疲れさん」





キーケースの輪っかに指を通した手を振る姿が






夕日に照らされて





あまりにも似合いすぎてて。





大人びた姿を見せつけられた気がした。

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作者名:arry | 作成日時:2023年10月28日 0時

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