Impossible things【Kento.N,Fuma.K】9th (ページ2)

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貴女side

あの後顔洗って、

泣き腫らした顔を戻すのを海に手伝ってもらって

もうそろそろ午前の部が終わりそうなタイミングで

やっとクラスのテントに戻った。

涼くんがふあをクラスメイトに紹介してくれていたらしく

陰になっているブルーシートの中で

先輩たちに囲まれて楽しそうに話している姿に安心した。

テントの側でその様子を眺めていると

瑞「A先生、もう大丈夫なんですか？」

いつの間にか隣に来ていた瑞稀くんが

そっと話しかけてきた

私の顔色を伺いながら優しく聞いてくれる。

貴「心配かけちゃってごめんね、

学生の頃から走り切ったら倒れ込む癖があって、、

全然、なんともないから大丈夫！」

瑞「そうだったんですね、良かった。」

貴「ほんとごめんね、、ありがとう。

あ、瑞稀くん、朝イチからお疲れ様！

100m早かったね〜」

瑞「先生みたいに1位取れなかったけど、、」

しゅん、と落ち込むようなそぶりを見せるけれど

貴「いや、2位だったでしょ。充分すごいよ」

そう、1位の子以外の3年生たちを差し置いて2位だった。

貴「おめでとう。

瑞稀くんのおかげでうちのクラス最初から絶好調だよ」

そう話していくと、だんだん表情が明るくなっていく。

瑞「だと良いんだけど、、」

少し照れながらも嬉しそうにする顔がなんとも可愛い。

瑞「A先生、本当に長距離得意だったんですね」

貴「本当にって、、まあ過去の話だったし

私もこんなに走れると思ってなかったけど」

瑞「めちゃくちゃかっこよかったです」

そんなふうに言ってもらえると

素直に嬉しくなってしまうもので。

貴「ありがとう。

瑞稀くんや涼くんも含め、色んな人のおかげだよ。」

瑞「ほんと、凄いっすよ、A先生。」

少し、視線を落としながら

貴「そんな改まって言わなくても、、」

涼「あっ！A先生！！！」

そうこう話しているうちに涼くんに見つかったらしい。