九十八話 ページ6
『義勇さん』
私が呼ぶとこちらを見た。
心做しか表情が硬い。
『私が音柱様にお願いしたのです。
また後で稽古を付けてください。』
冨「……そうか。」
パッと手を離される。
少し息を着くと音柱様は腕を引っ張り出した。
『あの、少しだけ時間をくれませんか。』
宇「一刻も早く強くなりたいんじゃないのか?」
『その前に約束があるので、それを守りたいんです。』
音柱様はなにか考えたように無言になると手をパッと離した。
これでとりあえずは、と安心する。
宇「一週間で足りるか?」
『はい。』
宇「じゃ、一週間後ここに来い。」
『わかりました、ありがとうございます。』
大きくお辞儀する。
義勇さんに向けても大きくお辞儀をする。
その後、柱の方々は解散となり、私は義勇さんと歩いている。
私たちは何も話さずに蝶屋敷まで着いてしまった。
『ありがとうございました。』
冨「………。」
返事をしてくれない。
お辞儀をして屋敷の中に入ろうとする。
冨「宇髄が終わったら…すぐに来い。」
驚いて振り返ると、義勇さんはもう歩き出したところだった。
聞こえるように少し大きめの声で叫ぶ。
『もちろんです!待っててください!』
私は笑った、と思う。
義勇さんは振り返ってくれて、その後何も言わずに言ってしまった。
胡「Aさんは忙しそうですね〜。」
『ええ、そうですね。
でも、私が強くなるためにはもっと修行をしないと。』
胡「貴方はまだ回復したとはいえ、完全ではありません。
宇髄さんには言っておきましたから、無理しないようにしてください。」
しのぶさんからは本当に心配しているんだとわかる。
無理しないという保証はできない。
私は無理をしてても強くならなければ。
「カァ〜!任務!任務!
東北ニ噂アリ!」
『…せっかく帰ってきたのに、すみません、しのぶさん。』
胡「怪我しないように帰ってきてくださいね。
炭治郎君たちが待っていますので。」
『はい、ありがとうございます。』
鴉が伝えた方へ走り出す。
その場所なら夕方には目的地につきそうだ。
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作者名:エアー | 作成日時:2020年5月22日 14時