九十七話 ページ5
………私は刀を向けられていた。
あと少しのところで呼吸が乱れてしまったのだ。
小｢決まったな。｣
胡｢勝負あり。｣
ぐっ、と唇を噛んで下を向く。
こんなんじゃ守れない。
あの人たちを…守れないのに。
小｢不死川が言ったように太刀筋に迷いがない。あぁ、相手をした者ならわかっているだろうが刃物に関して異様に反応がいい。煉獄が推薦するだけあると言えよう。
だが思考に耽りすぎで刃物に対しての反応と体の反応が合っていない。もし相手が刃物出ない場合はどう反応するどう対処する。状況判断がまだまだ未熟だ。｣
確かに、振り返ってみればギリギリまで考えていた。
自分の感覚に頼りすぎている。
『ありがとうございます。』
胡｢他にいらっしゃいますか？｣
少し、休憩を貰いたい。
長時間の呼吸を多く使いすぎた。
肺が少し痛い。
宇｢コイツの強さはよくわかっただろう、悲鳴嶼さん。｣
悲｢そうだな。ふさわしくないと言ったことを詫びよう…。｣
『いえ、もともと実力が伴っていないのです。
言われても仕方ないことでした。』
音柱様は私に近づいて頭をわしゃわしゃと撫でる。
髪がぐしゃぐしゃになって行く。
宇｢皆お前を柱として認める。
そう御館様と煉獄に報告する。｣
…！
驚いて音柱様の方を思い切り見る。
するとどうだ、と言わんばかりに笑った。
宇｢コイツは暫く俺の下で稽古させる。｣
そう言うと私の腕を引っ張って屋敷の方へ向かいだした。
そんな、急に言われてもみんなに話してきてないのに…！
急に反対の腕を掴まれて私の動きが止まる。
冨｢俺がする｣
義勇さんだった。
顔が熱くなっていく。
宇｢冨岡、なにしてんだ。｣
冨｢俺の元に置く。｣
両者、睨み合いになっている。
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作者名：エアー | 作成日時：2020年5月22日 14時
