百二十話 ページ28
宇「俺は派手を司る祭りの神だ!」
大声で天元様は私たちに話す。
善逸は不審に思っているらしい。
確かに、初対面でこれはなかなか凄いことなのだろう。
バサバサ、と音がすると、私の鴉が帰ってきた。
鴉「御館様カラ手紙ダ。」
『ありがとう。』
後で読もうと、懐に入れる。
それを見た鴉はどこかへと飛んで行った。
いつの間にか話は済んだらしく、静かになっていた。
宇「ついてこい。Aはちゃんと付いてこいよ」
『もちろんです。』
教えてもらったので、天元様にはちゃんとついていかないと。
シャラン、と飾りが揺れる音がすると天元様は走り出した。
私もそのままついて行く。
宇「楽しかったか?」
『!』
私に稽古のことを聞いているのだろう。
顔を向けはしなかったが、温かいものが向けられる。
『楽しかったです。』
宇「そうか。」
それだけ言うと一気に加速した。
それに私もついて行く。
………しばらくして、炭治郎たちは私たちに追いついた。
善「は、はやい…」
炭「すごい…」
炭治郎は私を見ると軽く微笑んだ。
多分違う表情をしているのだろうけど、私にはそう見えてしまったので顔を逸らす。
炭治郎からは私に対してよく分からないものを向けている。
それはそこまで不快じゃない。
むしろ、心地よいくらい。
…やめよう、私は炭治郎を諦めたのだから。
炭治郎と話さないまま、準備に取り掛かった。
天元様はまきをさんたちから連絡が途絶えたことをものすごく心配し焦っていた。
私はお世話になっているのだから、何かあるのなら助けるのは道理。
………化粧も着付けも終わったので、隣の部屋を伺ってみたが、まだ騒がしい。
この間に御館様からの手紙を読む。
『……は…?』
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作者名:エアー | 作成日時:2020年5月22日 14時