百十話 ページ18
竈門炭治郎side
あれからAの傷は治りかけまで時は過ぎた。
その間に、俺は勝手に蝶屋敷を抜け出して煉獄さんの家まで行って怒られた。
傷口が開いてしまったからだ。
しのぶさんにこっぴどく怒られてしまったが、何とかその傷も治ろうとしている。
あの時からAと俺は特に何事もなく普通に過ごしていた。
意識して欲しかった分、少し傷つく。
善「炭治郎〜、Aちゃん知らない?」
炭「俺は知らないぞ。
しのぶさんに聞いてみたらどうだ?」
善「それがなんか、取り込み中らしくて、追い出されちゃったんだよね〜。」
柱の方でも来ているのだろうか。
しのぶさんが取り込み中なんて珍しい。
胡「カナヲ、Aさんの所から簪を持ってきて!」
遠くからそんな声が聞こえたかと思うと私服のカナヲが走ってきて、俺たちを素通りする。
善逸が鼻の下を伸ばしていると、直ぐに戻ってきた。
俺がAに贈った簪を持って部屋に戻っていった。
炭「簪…。」
善「あれ、Aちゃんの簪だよね?
どうして持っていくんだろう?
ん????」
善逸が何かを聞き取ったようですごい顔をする。
俺は匂いを嗅いでみるが、変な匂いはしない。
善「Aちゃんの音がする。
しかも、何この音、すごい乱れてる。」
炭「俺には化粧の匂いしかしないけど…。」
善逸について行くと、なんだか少しだけ騒がしい部屋に着いた。
今までのことがあるのでさすがに盗み聞きはよくない…。
炭「盗み聞きはよくないぞ、善逸。戻ろう。」
善「さすがにそうだな…もう怒られるのは懲り懲りだ…。」
伊之助が任務で居なくてよかった。
いたら大声を出してバレていたかもしれない。
善「え!なになに?!え!」
炭「大声を出すな!」
俺は小さめの声で注意するも、その部屋からアオイさんが顔を出した。
善「もしかして、その中に…」
ア「この部屋に近づかないでください!
わかっておりますよね?善逸さん?」
善「す!すみませぇぇん!!!」
俺たちは走るように庭へと逃げた。
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作者名:エアー | 作成日時:2020年5月22日 14時