検索窓
今日:11 hit、昨日:29 hit、合計:46,798 hit

百五話 ページ13

竈門炭治郎side


夜が明けて朝の陽射しが柔らかくなった頃、扉は静かに開いた。


伊「オイ!Aはどうなった!!!!」

炭「Aは?!」

善「Aちゃんは?!」


しのぶさんは俺たちを見て少し驚くと、静かに話し始めた。


胡「Aさんの傷は縫いましたが、出血が酷く貧血気味です。

あまり騒がないようにしてください。

私は休みますね。」


では、と小さく零すと俺たちの後ろへ歩いていった。

俺たちは急いで部屋の中へ入ると、カナヲが手を握って座っていた。

心配と悔しさの匂いがする。

俺達もAの元へといき、顔を覗き込んでみる。

いつもと変わらない、規則正しい寝息を立てている。

よかった、と胸を撫で下ろした。


善「カナヲちゃんから後悔の音がする…。」


カナヲは下を向いた。

後悔の匂いがもっと強くなった。


カ「Aがこんな風になったのは……私のせい…。」

炭「俺たちに教えてくれないか?」


カナヲはAの手を強く握ると少しずつ話し始めた。

Aが炎の刀を使っていたこと。

その時に手が震えていたこと。

カナヲが駆けつけた時にはもう顔と腹に傷があったこと。

そして、カナヲを庇って足を怪我したこと。

話を聞いて、Aはカナヲも守ろうとしたことが伺えた。


炭「…カナヲのせいじゃない。

Aは自分の意思でカナヲを守ったんだ。」

カ「怪我をしないようにって言われてたのに…」

伊「変な顔するんじゃねぇ!」


カナヲが不思議そうに伊之助を見る。


伊「Aはお前を守った。それはAが強いからだ。

守りたいなら俺達も強くなるしかねぇんだよ!

今から鍛錬しに行くぞ!猪突猛進!」


伊之助は喋るだけ喋ると走って外に行ってしまった。

遠くで伊之助の叫び声が聞こえる。

俺も鍛錬しに行こう。


炭「俺たちも行くぞ!善逸!」

善「ううううう、わかったよおおぉ。」


善逸は半泣きで部屋を出ようとする。


カ「私も、する。」


驚いて俺と善逸は声が出なくなった。

今まで一緒にしたことないのに。


炭「…よし!行こうカナヲ!」


そうして三人で伊之助の後を追うようにAの部屋を出た。

百六話→←百四話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
78人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇 , 竈門炭治郎   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:エアー | 作成日時:2020年5月22日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。