Lyra (ページ26)

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　｢俺あの店見たい！｣

『古着？いいね海人似合いそう』

海人はまるで昨日何も無かったかのように

接してくれて、申し訳ないなって

思いながらも有難かった

海人は顔が小さくて手足が長くてスタイル抜群

もちろん何を着ても似合うし

歩いてるだけで女子からの注目の的だ

　｢これとか、どう？｣

『すごい似合うと思う』

　｢じゃあ俺これ買ってくるー｣

そんな即決していいのかなって思ったけど

本人が機嫌良さげにレジに歩いて行ったから

その間アクセサリーが並ぶ棚を見ることにした

――あ、このピアスかわいいな

つい手に取ってしまった少し派手目の

ゴールドのピアス

　｢Aそれ買うの？｣

『あ、ううん、可愛いなって思っただけ』

　｢じゃあ次行っていい？｣

『もちろん！』

海人と色んな洋服屋に入って食べ歩きして

歩き回ってたら外はもう真っ暗だった

帰りの電車の中でも疲れて海人の肩に

頭を預けて眠ってしまっていたみたい

はっと目を覚まして隣を見ると

海人も私の方に寄りかかって眠っていて

急いで揺すって起こした

『ねぇ海人もう駅すぎちゃったよ』

　｢まじ～？｣

ふぁ～と大きなあくびをしながら外を見て

ほんとだぁなんて眠そうに笑う海人

　｢ここから遠くないしうち来なよ｣

『……え？』

　｢A明日も早いでしょ。帰るの大変じゃん｣

『…でも』

　｢はーやーくー｣

『…………じゃあお邪魔しよう、かな……』

　｢はい、行くよ｣

サラッと手を繋いで歩き出した海人に

私は素直に従って着いて行った

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