Lyra (ページ20)

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中｢んまー！Aも食べなよ！俺焼いたげる！｣

満面の笑みで言う海人を見てたら

今日のことなんてどうでも良くなる

碧衣さんはまだ海斗のこと好きなんだ…

『ねぇ、ちゃんと味わって食べてよ？(笑)』

中｢味わってる！まじ美味い！もう1皿頼も｣

『人の奢りだからって～(笑)』

中｢次俺が奢るから！ね！センパイ♡｣

こんな時だけ先輩扱いしてくる

おねだり上手な海人には敵わない

『海人さ、宮近さんのことどう思った？』

中｢なんで？A好きなの？｣

『んー気になっただけ』

中｢…俺の方が背高い、Aのこと知ってる｣

『なんで張り合ってんの(笑)』

意外と鋭い海人に内心焦ってたけど

海人の謎の対抗のおかげで話が逸れて

ほっとしたのも束の間

目に見えて不機嫌になる海人に再び焦る

『海人、これ食べる…？』

恐る恐る海人にメニューを見せて

ちょっと高級なお肉を指すと

食べる！なんてて目を輝かせて

届いた瞬間に焼き始めて幸せそうに頬張る

――機嫌直ったみたいでよかった

お会計を済ませて解散しようと思ったけど

海人が送ってくれるって言うから

お言葉に甘えて肩を並べて帰った

『ありがとね、じゃあ』

アパートの階段を登ろうとしたとき

腕が引かれて引き寄せられる

『…っ！？かいと？』

中｢Aには俺がいるじゃん｣

中｢アイツのこと好きになっちゃダメ｣

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