本と居眠り ページ39
「おっ熱心だな！」
突然、頭上からカラッとした声が降ってきたことにより本の世界から現実に引き戻された。
「あ、ギル」
「よっ！」
顔を上げれば片手に分厚い本を一冊抱えたギルベルトがこちらを見下ろしていた。
「休みの昼間っから勉強か？」
「うん、O.W.Lに向けて対策中」
手元のさっきまで読んでいた本と羊皮紙を交互に見やると、ギルがニッと歯を見せて笑う。
「俺様の助言通りコツコツ頑張ってるみたいだな！偉いぜ！」
「うわっ」
大きな手に頭を雑に撫でられて首を竦めた。
この人のおかげで毎回髪がぐしゃぐしゃになってしまうのだが、憎めないのがギルベルトクオリティだ。
「ん？隣の寝てるやつお前の親友か？」
首を回して隣を見てみれば、彼の言った通り本を開いたまま突っ伏している友人が目に入った。
私が本に夢中になっているうちに眠ってしまったようだ。
「し、死んでる…」
ポンポンと優しく背中を叩くが小さく唸るだけでなかなか起きない。これはなかなかの爆睡だな。
「起きてー」
「うぅ………」
強めに肩をゆすれば、ようやく夢から覚めたのか目をこすりながら体を起こした。
「おはよ〜目、覚めた？」
「ケセッ、グーテンモルゲン！こんなところで寝たら風邪ひくぜ？」
「ぁ…ごめんなさい、いつの間にか寝ちゃったみたい…って、ギルベルト君も居たのね」
ぼーっとしている様子から寝足りていないことがわかる。
「疲れちゃった？」
「えぇ、少しだけ。…やだ、もうこんな時間？」
時計を見れば勉強を開始してから40分どころか 1時間半が経過していた、そりゃ寝ちゃうよね。
「すっかり集中力切れちゃったわ…悪いけど寮に戻ってもいい？」
「ん、本は私が戻しておくからそのまま戻っていいよ」
「ありがとう〜助かるわ」
広げていた羊皮紙をくるくると巻き取って席を立ち、小さなあくびを手で抑えた。
「お疲れ様。じゃあ、おやすみ〜」
「寝ないわよ！また後でね」
本棚の後ろに消えていく背中に手を振って見送る。
あんなこと言ってたけど寮の自室に入ればきっとすぐベッドに潜り込んでぐっすりだろう。
「ところでギルはなんの用だったの？」
「おう、ちょっと気になる本があってよ。せっかくだし隣に座ってやるぜ！」
ギルはそう言うと先程まで友人が座っていた席にどかっと座り、抱えていた分厚い本を机に置いた。
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ベンザチャン(プロフ) - ショコラマドレーヌ…美味しそう(( 更新楽しみにしてます！！ (2022年10月31日 8時) (
レス) @page31 id: 05631b7c6e (このIDを非表示/違反報告)
シマ(プロフ) - ベンザチャンさん» いつも読んでくださりありがとうございます。アーサーはさり気なく相手の好みだけでなく自分の要素も取り入れた物をプレゼントしそうだなと思って書いてみました。応援ありがとうございます。 (2022年10月26日 2時) (レス) id: ececbacc38 (このIDを非表示/違反報告)
ベンザチャン(プロフ) - 全身アーサー色だなんて、、読んでる私が尊くて倒れちゃいそうです…(？)更新頑張ってください！！ (2022年10月22日 12時) (レス) @page24 id: 05631b7c6e (このIDを非表示/違反報告)
シマ(プロフ) - うきこさん» 読んでいただきありがとうございます！カークランド家とアーサーがどうしていくのか楽しみにお待ちくださいね、応援ありがとうございます！ (2022年10月17日 22時) (レス) id: ececbacc38 (このIDを非表示/違反報告)
うきこ - 続編も最高です！お家のこととかこれからどうなっていくのか気になる(≧∀≦)応援しています！！ (2022年10月17日 10時) (レス) @page19 id: 3d360ad6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シマ | 作成日時：2022年10月7日 2時
