発覚 ページ32
志麻side
酒を飲んだ次の日。
今日も俺はAの病室の前にいる。
いつもならすぐに入っていたのだけれど、今日は此処に入るのが怖い。
正確には、Aにまた拒絶されるのが、だが。
セ「志麻くん、どうします?入りますか?」
気をきかせてくれたのか、申し訳なさそうにセンラが言う。
志「…大丈夫。入る。」
意を決して病室の扉を開けると、Aと目が合う。
貴「っ…何の用ですか。」
こっちに来るな、とでも言うように後ずさるA。
また、胸がずきりとした。
でも、ここで引き下がってしまったら、もう二度とAは俺を思い出してはくれない気がして。
志「…ただの御見舞い。そうだ、改めては自己紹介してへんかったよな?」
出来るだけいつもの笑顔で、いつもの調子で。
Aの返事も聞かずに、俺はつらつらと言葉を発した。
志「俺は志麻。ちっさい頃からお前の近所に住んでる、所謂幼馴染みってやつやな。小中高ぜーんぶ一緒で、上京してきたんは俺が先。家は二駅くらい離れてるで。」
貴「…そうなんですね。」
何も思い出せないのだろう、Aは警戒を解かずに俺を見る。
浦「…何にも、思い出さない?」
うらたさんがそう言っても、はい…と答えるだけ。やっぱり俺はその程度の存在なんだって、また一人で落ち込む。
すると、いつの間にか病室から出ていた坂田とセンラさんが俺を呼んだ。
坂「まーしぃ!」
セ「志麻くん、ちょっと来てください。」
二人についていって病室から出ると、センラさんがこう言った。
セ「Aちゃんの病名、分かったそうです。」
それは俺にとって、一番待ち望んでいた言葉だった。
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←飲酒
179人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ろと@Souナー - いい作品です。途中半泣きでした(*^ω^*)志麻さんがセンラさん抱きついてるの見て、くっつけ!!って思った最低な自分がここにいる (2018年6月9日 23時) (レス) id: 8bfce82912 (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - ?さん» ありがとうございます!頑張ります(*≧∀≦*) (2018年5月1日 22時) (レス) id: c4e81fb3b3 (このIDを非表示/違反報告)
? - 良い作品ですね これから 頑張ってください (2018年5月1日 21時) (レス) id: 3fb88b520c (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - 柊さん» コメントありがとうございます!返信遅れてごめんなさい!更新の方も頑張らせていただきます! (2018年4月26日 20時) (レス) id: c4e81fb3b3 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - アカンでアカンって作者さんこれはさ。僕を泣かせたいですかぁぁぁぁぁぁぁぁ?!(´;ω;`)好きです。志麻さん落ちってのがね特に。更新頑張ってください!!!!!! (2018年4月22日 17時) (レス) id: ba396b5112 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:nana | 作成日時:2018年3月27日 0時