【イナアレ】島柄長 (ページ36)

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第17話雷門の様子 2 ページ36

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「白恋にはもう1人、要注意人物がいるのです。」

そう言って映し出された画像に、皆は言葉を失う。映されていたのは1人の少女だった。自信なさげに胸の前で手を組み、柔らかな微笑みを浮かべている。その顔立ちは整っているが、かけている丸眼鏡がどこか素朴な感じを醸し出していた。
何より、その少女は華奢だった。マネージャーである大谷や神門よりも細く見える。とても強力な選手には思えなかった。

「おい、本当にこいつが要注意人物なのかよ」
「おや、人を見た目で判断してはいけませんよ。」

思わずそう口にした小僧丸に、監督はチッチと指を振った。

「彼女の名前は六花千鳥。『妖精の瞳』と呼ばれ、弱小だった白恋中を数ヶ月でこの強豪校に仕立て上げた実力者です。」
「たった数ヶ月で…！？でもそれってどういう…。」

監督の話を聞いたイレブンは驚きの声を上げた。彼らを代表するかのように稲森が監督に尋ねる。

「彼女の瞳はまさにフェアリーが宿っていると言えるでしょう。選手や試合の状況を素早く見抜き、それに対応する指示を出す、非常に優れた司令塔です。」

ゴクリと、皆は唾を飲む。この少女にそんな力があるとは。流れる緊張感の中、キャプテンの道成は不意に席を立った。

「大丈夫だ。俺たちは今まで、強敵に打ち勝ってきた！どんな相手だろうと自分たちのサッカーをして勝つだけだ！」

道成の言葉に、選手たちの顔に自信と熱気が戻っていく。そして皆で声を揃えて「おう！」と拳を突き上げたのだった。

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