【イナアレ】島柄長 (ページ23)

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第11話幼い感情 2 ページ23

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千鳥が曖昧な笑顔で返答を探していると、アツヤが口を尖らせて何かを呟いた。聞き取れず、「えっ？」と口にすると、アツヤはきっと睨みつけるように千鳥を見つめた。

「オレと白兎屋、どっちが大事なんだよ！」

アツヤの口から飛び出た言葉に千鳥は笑顔を固まらせて目をぱちくりさせてしまった。しばらくの間脳がフリーズして、冷や汗が流れる。混乱しているようだ。

「え……っと、そういう問題？」
「いいから答えろよ」
「そんな……。わたしは2人とも大好きだよ。」

もちろん士郎くんも、と付け足す。すると、アツヤは怒ったような顔のまま、少し頬を赤くした。眼光の鋭さもすこし緩くなっている。アツヤはフンと鼻を鳴らすと、この話に興味がなくなったようでガタリと席を立った。

千鳥はその後ろ姿に声をかけようとしたが、言葉が見当たらず、去っていく背中をただ見つめていた。

(なんだったんだろう…アツヤくん……)

アツヤの理不尽で勝手な行動は、千鳥にな理解ができない。──いや、気付かない。アツヤの行動の裏に隠れた、幼稚な嫉妬心には。

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