【イナイレ】島柄長【愛媛・大阪編2】 (ページ26)

今日:8 hit、昨日:2 hit、合計:22,983 hit

第63話 vsイプシロン隠されていた必殺技 2 ページ26

＊

それから激しい攻防が続く中、吹雪はもう一度シュートを打った。けれどもやはり止められてしまう。
吹雪の「畜生！！」という悲痛な叫び声に、千鳥は不安と心配で息が苦しくなる。

吹雪はそのうち味方のボールさえ奪うようなプレーをするようになった。「無茶だ！」という鬼道の声も無視して吹雪は1人で攻め上がる。
そうして、もう5度目のシュート。今までで一番のパワーだ。

「ワームホール！」

デザームはワームホールを放つ。しかし今までのようにすぐにゴール上にワープせず、デザームが苦しそうに顔を歪めた。エターナルブリザードの威力を殺しきれていないのだろう。

「いっけぇええ！！！」

吹雪の叫びに答えるように、ボールはデザームのワームホールをついに打ち破り、ゴールネットに刺さった。

「よっしゃあああ！！」

吹雪は歓喜の声をあげ、皆もわっと喜んで吹雪に駆け寄る。
けれども、千鳥は笑えなかった。吹雪はシュートを打つとき、「余計なことをするな」と叫んでいた。おそらく、一瞬士郎が表に出ようとしたのだろう。吹雪の中で、アツヤと士郎との摩擦が大きくなっている。

残り時間も少なくなり、試合さらに白熱する。
ゴール前に来たイプシロンのボールを木暮が旋風陣でカットしたり、円堂がマジン・ザ・ハンドを進化させガイアブレイクを止めたりして、イプシロンはその後無得点だった。
残り時間ももう無い。これが最後の攻めになるだろう、吹雪が再びイプシロンゴール前に攻め上がった。

「いくぞ、最後だ！」

吹雪がもう一度エターナルブリザードをうつ。先程よりも強力な威力を持っていた。

「素晴らしいシュートだ。ならば、わたしも答えよう…！ドリルスマッシャー！！」

しかし、デザームの繰り出した新たな必殺技に雷門の選手たちは目を見張る。
デザームは腕に巨大なドリルを纏い、ボールの威力を相殺してくる。そしてボールは上に跳ねあげられ、デザームに受け止められてしまった。

「なっ」
「まだあんな必殺技を持ってたなんて…。」

チームに戦慄が走る。ようやくデザームの必殺技を破ったと思ったら、相手はまだまだ本気ではなかったのだ。
デザームはそのボールをコート外に投げ出すと、「試合終了だ。」と言った。

＊