第57話 CCCの特訓施設 1 ページ12
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リカに案内された施設には、見たこともないトレーニングマシンが並んでいた。そしてその全てにカラフルでファンシーなシールが貼ってある。無骨な機械が並ぶ中、かなりの違和感を出していた。
リカは自慢げに「ウチらがデコったんや。カワイイやろ？」と言う。
「ここがウチらCCCがメッチャ強い雷門中とええ勝負出来た秘密や。」
リカは自慢げに言った。千鳥はキョロキョロとマシンの数々を見回す。なるほど、このトレーニングマシンには選手の力を大きく引き出す能力があるのかもしれない。
「かなり高性能なようだな…。」
鬼道がマシンの一つをよく見てそう呟く。
「せや。レベル上げるとめっちゃ大変な特訓になるんやで。最高レベルはウチらだ〜れもクリアできへんかった。」
「…面白いな！オレもここで特訓したい！」
リカの言葉に、円堂は両手を握って体をぷるぷる震わせた。武者震いというやつだ。
「イプシロン戦まであと3日。ここでなら、もっと強くなれる気がする。なぁ、オレたちにもここを使わせてくれないか？」
風丸がリカに頼むも、リカは「えー…」と乗り気じゃない様子。
すると、ふと吹雪が一之瀬に近付き、「一之瀬くん」と耳打ちした。
「…頼むよ、リカ。」
「キャーッ！ダーリンに名前で呼ばれてもうた〜！なんぼでもつこて❤」
一之瀬が頼むとリカの態度は急変。その様子に皆は苦笑した。
(…士郎くん、女の子の扱いを心得てるなぁ…。)
千鳥も思わず「あはは…」と苦笑いを漏らした。
それから雷門の選手たちは施設内を見学して回った。施設内は広く、本当に多くトレーニングマシンがある。…そしてその全てが、やはりファンシーなシールでデコレーションされていた。
千鳥は辺りをよく見回しながら歩く。すると、マシンとマシンの間に人一人入れるか入れないかという隙間を見つけた。千鳥はその道に近付く。今まで誰にも気付かれなかったのか、そこだけ埃が溜まっていた。ゴクリと唾を飲むと、彼女その道に足を踏み入れた。
しばらく歩くと、何やら開けた空間に出た。埃っぽく不気味な雰囲気だ。千鳥は思わずこほこほと咳き込む。
辺りを見回すも、暗くて全く見えない。懐中電灯になるものを持ってきてもう一度来ようと来た道を引き返そうとしたときだった。
コツリと足に何かが当たった。不審に思ってそれに手を伸ばす。丸くて、冷たくて、硬いものだ。
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作者名：いわき | 作成日時：2019年7月4日 7時
