番外編 待つ者たちは 2 ページ42
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「烈斗？どうしたべか？」
サッカーボールを抱えてその場から動かないのは、FWの氷上烈斗だった。
「…吹雪がいない間は、おれと喜多海がシュートを決めるんだべな。」
烈斗のサッカーボールを持つ手に力が入り、ぶるぶる震える。彼はFWとしての責任感に怯えているように見えた。
一瞬、そんな烈斗を心配げに見たが、函田はすぐに笑顔を作って烈斗の背中をポンと叩いた。
「大丈夫だべ。もう白恋は誰か1人に頼りきるプレーはしないべ。烈斗や喜多海だけに頼ったりはしないべ。"みんなで"一点、取っていくべ！」
「函田先輩…。うん、わかったべ！」
函田の言葉に、烈斗はぱああと笑顔を取り戻す。そして烈斗はグラウンドへと走っていった。
そうだ。強くなるのだ。サッカー部のみんなと一緒に。きっといつか自分も吹雪にも負けないくらい強くなってみせる。
……そうしたら、自分だって彼女に振り向いてもらえるかもしれない。
烈斗は口角を上げ、まっすぐ前を見た。
グラウンドへ集合したサッカー部員たちは「まずはランニングから！グラウンド20周だべ！」と走り出していく。
旅立った者を待つ者たちは、ただ待つだけじゃない。彼らもまた戦っていたのだ。旅立った者たちを迎えるために、そして、自分たちがもっと強くなるために。
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いわき(プロフ) - 檸檬けーき。さん» 檸檬けーき。さん、コメントありがとうございます！とても嬉しいです！この小説はもう完結していますが、同じ主人公が出てくるアレス版の新作を書き始めましたので、良ければそちらもご覧ください(＊^^＊) (2019年10月18日 10時) (
レス) id: b59bbba1ca (このIDを非表示/違反報告)
檸檬けーき。(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます (2019年10月18日 5時) (レス) id: 31d6ef12c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いわき | 作成日時：2019年10月8日 0時
